知らんふりして
僕は原発が悲しいと思っている
どこかでヒバクしながらウランを掘っている人達がいる
どこかでヒバクしながら核燃料をつくっている人達がいる
どこの原発でもヒバクしながら働いている下請けや孫請けの人達がいる
どこの原発の周りにもおののきながら暮らしている人達がいる
原発は誰かのおののきを踏み台にして電気をつくっている
そして踏み台にされている人達は
声を殺して生きている
やっとつかんだ仕事を失わないように
地域に波風を立てて
人の和をこわさないように
力をもつ人々に睨まれないように
自分を殺して生きている
そしてみんな信じたがっている
「原発は安全だ」と
すでに原発で働く仲間が何人もヒバクして死んでいるのに
すでに原発から漏れた放射能が周囲の田畑や野山で見つかっているのに
遠いチェルノブイリの放射能が日本にも降ってきたことを知っているのに
どんなに微量でも原発がだす人工の放射性物質は危険性が高いと分かっているのに
それでもみんな
「原発は安全だ」と
信じたがっている
原発は悲しい
誰かがヒバクしてくれないと
誰かがおののきながら暮らしてくれないと
その人達がじっと我慢してくれないと
電気がつくれない
そして僕らはその電気で豊かに便利に暮らしている
本当は
すべて気がついているのに
知らないふりをして