書いておきます。
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ポーカーの神経経済学
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欧米では、カードゲームの中でもポーカーは王様ともいうべき人気で
素人の週末の集まりから、本物の「ツアープロ」たちが巨額の賞金を
目指して争うトーナメントまで、各種の催しが毎週行われています。
その人気の秘密はなんなのか?
単なる確率計算によるギャンブルとどこがちがうのか?
確率計算以外の、報酬と快、社会的要素、遊びの要素がふんだんに
入っていて、もしかしたら株の取引などに似た点さえあるかも。
そういう意味で、神経経済学の観点からもポーカーは興味深いテーマなのです。
そこで私達は、ポーカーの素人と「学生のプロ」(そういう人種が LA界隈には
いるのです。)の2種類の被験者を集めました。そして確率計算だけで事足りる
ギャンブル課題では、成績がほぼ同じになるように調整したのです。
ポーカーでもクジでも、必要となる確率計算そのものと、計算能力は
一緒だったということです。
その上で、それぞれのプレイヤー群において、この2つのゲーム条件で
脳神経活動を fMRI で計測しました。
ポーカーのエキスパートであるとはどういうことか。
私達の当初の予想は次のようなものでした。
セミプロはポーカーの手札を確率計算に置き換えることに極度に習熟している。
だから、計算を司る脳内部位だけが、素人群より大きく活性化するだろう。
また、ポーカーに極度に習熟しているぶん、ポーカーとクジとで、
全然違う神経計算、ストラテジーを使うだろうと。
私達のこうした予測はみごとに裏切られました。
結果はおおよそ次のようなものでした。
まず第一、脳の全体的な活性化を単純に比較すると、
セミプロ群のほうが、素人群よりもはるかに大きかったのです。
この点は特に、クジ課題のときの活性化レベルを基準にして比較すると
いっそう明らかでした。
熟練したセミプロでは、手札を見ただけで脳内のさまざまな機能、
回路にトリガーがかかっていることがわかります。
ところが面白いのが、ユーティリティ(手札の経済価値)の計算に
特化した神経活動だけを取り出すと、逆にセミプロ群の方が活動レベルが
低かったのです。
これは習熟によって神経的な「努力」が不要になっていることを示しています。
またふたつの群では、活動した脳内部位がかなりちがっていました。
たとえば顔の知覚や微妙な形の識別に関わる側頭部の領域は、
ポーカーのセミプロ群でだけ活性していました。
その活動パターンを全体的に見ると、素人群では、クジのときの計算を
ポーカーの時にも苦労して当てはめようとしている。
一方セミプロ群では、逆にクジ課題でもポーカーの回路を活用している。
そのように解釈できる結果でした。
考えてみれば、一芸に秀でている人はそこで培った知恵を他の場面にも
応用出来る。これは、世間知としては常識の部類でしょう。
ひとつ注意しておくと、ポーカー課題とはいっても、被験者がスキャナー内で
課せられたのは、コンピューターが相手の、ごく簡略化されたゲームでした。
実際の真剣勝負のポーカーの席順が大きく効いたり、相手の思考を読むような
ことは不要なのです。それにも関わらず、セミプロでは、本当のポーカーを
やるときと同じ回路が全開になってしまった。
クジのような単純な課題でも、脳活動をとめようとしても止められなかった。
そこに面白さがあります。
これらの結果はなにを意味しているでしょう。
まず何かに習熟するとはどういうことか、それにヒントを与えてくれます。
習熟するとは、同じ推論/計算をより全力をあげてやることではありません。
考えてみればあたりまえの話です。
そうではなく、状況や手がかりから実際の計算をせずに
直感的に解くことなのです。
この意味では、囲碁や将棋のプロにも似ています。
計算の効率化や馴れと同時に、他の有力な手がかりやルールを
直感でつかえるようになるのです。
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マキャベリ的知性
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「神経系の全体的な活性化が快につながる」
という道筋に戻して、まとめます。
ポーカーの研究は「神経系の活性化」がゲームの面白さ、
ひいては快感につながることを示しています。
しかしそれだけではありません。
ポーカーのゲームを複雑にしている要因、、、、
たとえば報酬や感覚感の統合、メンタライゼーション(相手の思考を読むこと)
など「社会的な知能」の動員が欠かせないのではないか。
そういいうことも示唆しているのです。
このような考え方は、進化生物学や進化心理学で言われている
「マキャベリ的知性」という考え方ともつながります。
マキャベリ的知性とは、霊長類における社会的な知能を指します。
協調したり、出し抜いたり、従ったり、叛逆したり、集団の状況に応じて
柔軟に対処する知能、というより、感受性です。
このような社会的知能がそうでない(例えばものを操作する)
知能の基盤になっていて、決して逆ではない。
これがポイントです。
ポーカーのセミプロの脳内活動パターンは、
まさにこのことを連想させるものだったのです。
この結果を見たとき私は、ポーカーが不滅の人気を誇ることも
納得できる気がしました。
それとともに、現代社会における音楽の隆盛を理解する
ヒントを得たように思いました。
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と、このような文章だったのですが、
ポーカーの疑問が解消されると同時に、音楽の隆盛に
リンクして理解するヒントを得たところが、面白いとこです。
音楽とポーカー、面白いキーワードだと思うのですがどうでしょう、、、
http://2012parallelworldexpress.com/synchropoker/?p=813
本はこちらです。