MOON -3ページ目
やり直すとなれば、
きっと生まれる前からやり直さなければ
何も変わらないと思う
あぁそうだ
分かりたかったんだよ
1番近くで見てきたつもりだったから
分かりたかったんだ
友達という言葉に縛られて
雁字搦めで動けなかった
君の柔軟剤の香りが
君の煙草の香りが
君の喋り方が
いつになっても頭から離れないんだ
甘えていいよと言われて
素直に甘えられるような人間ではない
少し、違うな
甘え方が分からないというのが
きっと正しいと思う
甘えていいよなんてそんな言葉、
なんだかムズ痒い
どうしたらいいのか分からなくて
私は更に窮屈に感じるのだろう
自由が欲しいと言いながら
きっと本当に自由を手にしたら
何をしていいのか分からなくなる
制限された自由だからこそ
私はきっとのびのびしているのだろう
敷かれたレールからいつまでも
逃げ出さないのはそういう事だろう
狭い鳥籠もいつの間にか
落ち着けてしまって
私はきっと飛び立たない
籠の外は未知の世界で
こわいから、きっと飛び立たない
私の脳裏にいるその人は
優しくない人だった
私以外にはとても優しい人だった
私にはとても優しくない人だった
それなのにその人がいつまで経っても
私の中から消えてなくならない
思い出せることは数あれど
その口から一度も聞けなかった言葉
全部全部記憶の海に沈めてしまおう
散らばったままの私を
少しずつ拾い集めて
時間をかけて元に戻していく
涙はいつかに置いてきた
乾ききってしまった
泣くことをやめて
心から笑うのもやめた
そんな私の欠片たちを拾い集めよう
昔のように戻ろう

