やはりここにできる限り記録を残しておこう。
情報開示と引き換えに情報を収集できるように。
こんな気持ちでいたことをあとで読み返せるように。
と、言いつつも、事の始まりが思い出せない。
しかも私の記憶では反対側だった。
テーブルを挟んで座る夫は左の手で首を触った。
そもそもその記憶が間違っているということだ。
「リンパが腫れて痛い」
こんなセリフを言っただろうか。
思い出せない。
いつまでも治らない。
「触ってみて」と言われたのはそれからしばらく経ってからだったか、
ただ、そんなセリフを言われたのは初めてだった。
プニプニした、
まさにリンパ腺が腫れてるみたいな感じだった。
この時点では「そんなに気になるなら早く医者に行きなよ」くらいな感じだった。
リンパ節がそんな風になるのは誰にだってあるだろうくらいな危機感のないものだった。
5月だったか夏だったか、
それすらも曖昧だがこの時既に事は始まっていたのだ。
多分。
