街のリアルな自腹ファッション
パーティに集う 上流階級のセレブスタイル
そしてパリ 先端コレクションを追いかける
NYタイムズに「ON THE STREET」と「EVENING HOUR」二つの名物コラムを持つカメラマン ビル・カニンガム
『街へ出て 自分の目で決める
街が語りかけてくるのを待つんだ
近道などあるもんか』
彼が待っているのは 誰も見たことのない
とびきりのスタイル 抜群のファッション だから
…誰かと同じスタイルだな スルー
…これは前にも見たな スルー
…この人の とびきりのセンスが感じられない スルー
お! 見たことないエレガントな人が!
…これ!と思うスタイルを見つけたら
誰と話し込んでいようとも飛んでいく
望む被写体を見つけた時の あの素速さったら!
親しみを込めて言うけど こんな身軽なじいちゃん いるのか?笑
VOUGE編集長アナ・ウィンターが言う
『私たちは毎朝 彼のために着るのよ でもシビアで』…何度も撮られ続けている有名人さえ 時には容赦なく黙殺
ビルに撮られることがニューヨーカーのステータスになるほど有名なのに
『写真家じゃない
名乗ったら詐欺だと言われるよ
ただ見たものを撮り 記録しているだけだ』
彼の言葉は 謙遜ですらない。
☆☆☆☆★
その昔、お小遣いでファッション雑誌を買ってた頃
ウォーホルの両手で顔を隠したポートレートや、気に入ったページをスクラップなんて可愛いことしてた頃に、スクラップこそしなかったが覚えてるページがある
NY、パリ、ロンドン、ミラノ…
大都市のストリートファッションが一杯に散りばめられたページ。そのNYのページだけを妙に覚えてる。
真夏のNY 街を歩く人達のスナップ
予告編の『タダで着飾った有名人に興味はありません』…この言葉を聞いて そのNYのページを思い出し
うわ!これ見逃せないわ!と思ったの。
★★★★☆
『すべて見なければレポートできない』
誰でも 彼に撮られることを喜ぶ訳ではなく
「勝手に撮るな(カメラ)ぶっ壊すぞ!」怒鳴られることもしょっちゅう。でも、やめない。
『重要なのは 感想じゃない
見たものを伝えることだ』
何しろ服にしか興味なし。だから
有名人よりも服。モデルよりも服。大女優よりも服。
ランウェイでも 陣取るのは正面ではなく横…モデル以外の人が着られる服でなきゃ、カメラも向けない
ストイックだけどギスギスしてる訳じゃなく、大好きなものに真摯
だから他はすべて 最低限でよしとする
カーネギーホールの上にあるスタジオハウスは、撮り溜めたネガを納めたキャビネットで埋め尽くされ、他はベッドだけ…自分用のキッチン、バス、トイレは人生から排除!…そんなものあったら掃除しなきゃならないって…はい、ごもっともですm(_ _)m
ビル自身はいつも パリの清掃員が着る青い上っ張り
雨の日は+ワンコイン黒ポンチョ
すぐに破れるから新調もせず ガムテープで補強するだけ
毎日の食事は 安ければ安いほどいい
締切過ぎれば 食べるなど忘れる
夜な夜な顔を出すパーティは 食事を済ませて出かけ
水一杯口にせず 撮りたい服だけを撮る
華やかな環境にいて 彼の生活はいたって質素
まるで365日 寝食を忘れてる人。
☆☆☆☆★
彼は 仕事の全てを 自分でコントロールし 他人まかせにしない
そう決めた 過去の出来事があった
彼自身は多くを語らないけれど
ビルの写真が 誰かと誰かを比べ 優劣をつける結果になってしまった
それは 雑誌が求めたイン&アウト
だけど 彼にとってはすべてがイン
彼には耐えられなかった そこから今のスタイルが始まった
ビルにとっては 撮るか撮らないか
感じた興奮を 伝えるか伝えないか。それだけ。
『無給なんだから 好きにさせてもらうよ』は 彼なりの自由の定義
日曜日の教会通いを問われた時
沈黙の後に見せた顔は 涙に濡れていた
きっと、カメラを手にできない日もあった筈で
映画の中では実際 カーネギーホールから退去を求められ、代わりに提示されたのは セントラルパークを望む部屋
誰もが俄然テンション上がる眺望も 彼は「いたたまれないな」と苦笑いだけ。
なんとも不安そうな その顔!
…結局バスもトイレも景色も 彼には意味も興味もなく。
『街へ出て 写真が撮れればいい
こんなことに 人生の邪魔はさせない』
↓50年以上のキャリアを認められ パリで勲章受賞のスピーチがコレ
『私は働いていません、好きなことをするだけです
仕事ではないのです』
NYの街を彩る リアルファッションを追いかける ビル自身が最高に格好良い。
カッコイイなんて言葉 軽すぎると思うくらいの格好良さ。
彼の呟きでフィルムは止まる
『黙れカニンガム さぼるんじゃない』
撮影はここまで、と。
『ファッションは鎧なんだ 日々を生き抜くための』…ファッションは 身体に装いを凝らす芸術
ビルの装いは 走り続けること
★★★★☆
NYタイムズの彼のページは、私のお気に入り。嗄れ声で解説する動画も大好き。
ファッション系のドキュメンタリーで、青い上っ張りを見つけると めちゃテンション上がる♪
もう、彼の見つけた新しい“エレガンス”を観られないのが 本当に寂しい(T ^ T)
「紅の豚」に「カッコイイとは、こういうことさ。」というキャッチコピーがあるけど 彼を見てると
『自由とは、こういうことさ。』
と言いたくなります(^_^)v
そんなビルの数字は
1-4-22
S22が象徴してる^^
やるならトコトン。すべてを見渡した上でキッチリきめて、愚直なまでに決めたこと守りながら、ひたすらに突っ走る
コラムの紙面を作っていく作業は
まるでコラージュ 彼の見つけたエレガンスが溢れてる
見つけ、捉えて、魅せる
そこに 彼の拾い上げた 被写体の美意識が映る
見つけたものを 見ていない人に伝えるところまで昇華した人ね♪
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それも、数の仕合わせ。
★★★☆☆
《かずの葉の庭》主宰
|★|高橋 早苗Facebook
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コイツ誰やねん?て方はこちら

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