台風一過の青空の下
「太陽の塔 TOWER OF THE SUN」を観ました
岡本太郎の生涯を振り返るでもなく
太陽の塔がいかに造られたか、なんて追っかけでもなく。
岡本太郎が追いかけ続けた、言葉でなんか現わしきれない表現の欠片たちで
今とこれからを生きる私たちに
どうする?と問いかけてくる。
万博が描く「進歩と調和」を真っ向否定
進歩もしてなけりゃ 調和もない
と、私たち日本人の
「眠る本能を叩き起こす」太陽の塔
まるで、作品が
何十年も経て これから完成をみるんだぞ、と言わんばかりだ
永遠の未完。
彼の表現に触れて、いつも繰り返し感じてきたことが
違う形でまた スクリーンに大写しになっている
あの、そびえ立つ
どこか不気味さを持つ塔の姿で。
これからの日本人が読みたい教科書みたいな映画だわ。
1~9の数字の円環のように
ライフプロセスの渦巻き上昇パターンみたいに
観ているこちらの頭ん中で
一つ一つの章が 曼荼羅を作っていくみたいで
今までに観たドキュメンタリーとは全く違うタイプのドキュメンタリー映画。
世界に貢献しようとする表現者たち。
こんな作品が
作られるようになったんだな
それだけ、ちょっとは前に進んでいるんだなこの国は。と嬉しくなったわ^_^
新宿シネマカリテさんの入り口階段。
太郎さんの色使いにぴったりな壁の色!^_^
…それはさておき。
1970年の万博から
話は始まっているのに
鮮血
祭り
捧げもの
…スクリーン上で 響く言葉が
古くさくあるようでいて
どれもこれも 「いま」を強力に問うてくる
忘れてないか?オイ!
と肩を掴んで 揺すぶられているみたいだ。
昔、あるバンドのVo.が
「自分は〇〇(バンド)の人柱」と言ったのを いまだに覚えている
(雑誌インタビュー。決してネットスラングではないw)
太陽の塔が、もし完成しなかったら
私がその場に立つと言った太郎さん。
太郎さんて、、、
人柱?人身御供?
映画は、9つの章で構成されています
EXPO 万博
CREATION 創造
TARO 太郎
ORIGINS 起源
SYSTEM 支配
MYTH 神話
RESONANCE 共鳴
MANDALA 曼荼羅
GIFT 贈与
9つのマスを埋める曼荼羅にしか見えなくて^_^
万博という
すべての可能性を含んだ大風呂敷から
太郎さんの、大き過ぎる、本当に大き過ぎるギフトの正体まで
それは、ひとこと「愛」だ。なんていったら、陳腐に聞こえるのかもしれないけれど
進歩も調和もない!
だから、その上をいこうとした
だから、あの得体の知れない怪物のような姿になって
私たちの前に、観た者の中に 佇み続けてる
忘れてないか?と揺さぶるのは
48年前に造られた塔のことではなく
私たちの中にあるものだ。
それを、9つの章が、ひと連なりで
繰り返しくりかえし繰り返し、教えてくれる。
9つの章を頼りに
私たちは、私たち自身の曼荼羅を作ることができる。
私たちのドキュメント。
こんな贈り物を
受け取らないなんて法があろうか(´∀`*)
ドキュメンタリー映画で、インタビューてのは、かたまりで。
観るこちらは、その人が何を言っているかを無条件に読み取らされる。
その人たちのドキュメント、なの。
この映画は、そのかたまりの
切り刻み具合がすごくて。
繋ぎ合わされ、出来上がったそれは
その人が何を言ってるか?じゃなく
観てるこちら側にグイグイ切り込んでくるみたいなのですよ。
おまえは、この世界に何を差し出すんだ?とね^_^
映画を観ながら、メモしながら
それを振り返りながら
ひとつひとつの章から
キーワードを拾い集めて
マイ曼荼羅、作っています^_^
(一マス一章。自分が気になったキーワードを書きなぐりw)
こんな映画が 今月末までの公開だなんて
もう一度観たいわ(笑)
公式サイト
太郎さんの数字は
22-9-8
LL3、5、7、8
スケールのデカさは言うまでもないけれどD9の美的感覚も爆発的だったのね。
それも、数の仕合わせ。
★★★☆☆
《かずの葉の庭》主宰
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