疑いは遠回り ー 「知りすぎていた男 The Man Who Knew Too Much」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

1956年公開のヒッチコック映画

「知りすぎていた男 The Man Who Knew Too Much



自身が1934年に作った

「暗殺者の家」のリメイク作




時々、観たくなる

ケータイもPCもない時代なのに、ハラハラドキドキ 手に汗握れちゃうあたりが素敵すぎます^_^




★★★★




モロッコへ 妻と息子を連れ休暇旅行に来た医師ベン・マッケンナは

ルイ・ベルナールと名乗る男に助けられ 懇意になる



翌朝 マラケシュの市場で騒動が

ベルナールは刺され

ベンに ある言葉を残して息絶える


警察に事情を話していると そこへ電話が

「ベルナールの言葉を 他言すれば

息子の命はない」

ホテルへ戻っているはずの息子は さらわれていた




☆☆☆☆★




楽しいはずの 異国旅行は一転

要人暗殺の陰謀と

我が子を取り戻そうとする夫婦が

ロンドン市街 アルバート・ホールでクライマックス、演奏会もクライマックスの シンバルの一打まで

駆け回ることになるわけですね^_^




これ、観ているとね

《疑い》ってヤツが 主人公の思惑とは裏腹に

事態を混乱させていくことが 分かります



★★★★




息子を追ってロンドンにやってきたマッケンナ夫妻

宿泊先へ着くなり ベルナールが言い残した言葉

「アンブローズ・チャペル」を電話帳で調べ

ベンは 見つけた住所へ乗り込んでいきます


タクシーで乗り付け 歩いて行くと

後ろから近づく足音

ベンは 通りの角で 時計を見る振りをしながら様子を伺う

足音はベンを追い越し 通りを渡り

ある門の前で立ち止まる


振り返る男の顔

ベンは素知らぬふりで やり過ごし

男は門をくぐって中へ消える

見上げると「アンブローズ・チャペル」の看板

↑↑↑ この辺りの すべてを怪しく見せるところ、ヒッチコックですね^_^




意を決して 訪ねたベンは

アンブローズ・チャペルなる男を前に 詰め寄る

俺はマッケンナだ

ルイ・ベルナールを知っているか

俺はお前の名前をマラケシュで聞いたぞ




男は???ですw

なんかコイツ、勢い込んでごちゃごちゃ言うけど

あんたの名前も ベルナールも マラケシュも知らないぞ?


ベンは焦る気持ちから

息子を返せ!とばかりに たまらず掴みかかる


だけどアンブローズさんだって必死^_^

助けてくれ!

周囲の皆に押さえ込まれて ベンはやっと コイツは違うと分かり 慌てて退散。




その頃、ホテルの部屋で 妻のジョーは

「アンブローズ・チャペル」は人じゃない

(文字通り)礼拝堂だわ!と気づく



☆☆☆☆★




分かってしまえば なーんだ。てことなのですが

この時 ベンの疑いは すべて外に向いている

自分の方が間違ってないか?なんて振り返る余裕もない

確かめるまで 落ち着いてる余裕も もちろんない

(子どもをさらわれて 余裕のある親はいませんからね^ ^




疑いは遠回り。

度が過ぎれば いろいろ立ちゆかない


自身への疑いが過ぎれば 動けないし

周囲への疑いが過ぎれば こんな風に余計な?騒動が起きる

その"遠回り" 見事にハラハラドキドキに魅せてくれる、ヒッチコックに脱帽です(´∀`*)




映画のラスト、無事に息子を取り戻した夫婦は

友人たちが待ちくたびれた ホテルの部屋へ戻り こう言います

「どうも。ハンクを迎えに行ってたので」




・・・おい!

すべて一日の出来事だったんかい!


ロンドン、ある日の出来事w(´∀`*)

(写真はWEBよりお借りしました)





それも、数の仕合わせ。




★★★☆☆

《かずの葉の庭》主宰

|★|高橋 早苗プロフィール

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