ふつう=全員ドコか変。見せて、魅せる ー 「ワンダー 君は太陽」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

(2018年7月投稿のリライトです)



いじめや差別がテーマのお話は 沢山ある。

家庭が密室なら

学校だって会社だって密室なのだ。

だけど、家族と呼べる以外の存在がいる場所は「社会」。


これは 初めて「社会」に出た子が

自身を損なわずに 生きる術を見つけるまでの話

子ども向けと侮るなかれ。




(あらすじ)

10歳のオギー・プルマンは、遺伝子疾患で、人とは違う顔で生まれ、27回の手術を受け、自宅学習を続けてきた。母イザベルは夫ネートの反対を押し切り、オギーを5年生初日から学校に行かせようと決意する。

オギーはトゥシュマン校長に会う。「おケツ校長だ」と自己紹介され、思わず吹き出すが、「生徒が学校を案内するよ」と言われ身構える紹介されたのはジャック、ジュリアン、シャーロットの3人。

いかにもお金持ちの子らしいジュリアンはオギーに「その顔は?」と聞いてきた

(公式サイトより)



☆☆☆☆★




宇宙飛行士に憧れる

スター・ウォーズ好きな10歳は

みんなが 自分をジロジロ見る理由を 知っている

「僕だって チューバッカが出てきたらジロジロ見る」


自分が フツーと 見なされないことなど

この10年で とうに学んでいるわけで



見られたっていい

自分も見るし。

・・・嫌なのはそのあと、


黙って 目を逸らして 去っていく

だから 学校の中庭が嫌いなのよね




その無言の反応を やり過ごす為に

彼の中で育った空想憧れとも直結してるけど^_^


宇宙服姿で みんなに受け入れられてるオギーがいるの


チューバッカをジロジロ見るけど手を差し出すオギーもいるの




★★★★☆




この作品、面白いことに

主役のオギーが学校へ行くのと 同時進行で


姉のヴィア

親友だったミランダ

オギーと親しくなるジャック

それぞれの目線で新学年の日々が語られていくところ。




すべてが 弟オギーを中心に回る家で

良い子をやってきたヴィア


ヴィアと疎遠になってしまい 戻るきっかけを失ったミランダ


気づかずに オギーを傷つけることになるジャック




ここに 親目線が入ってないのが素敵です♪

母か父の語りが入ると 簡単にお涙頂戴バナシになっちゃうものね^_^




ヴィアが 家族を

太陽(弟)と その周りを回る惑星(両親)に喩えている通りに


オギーは そのままで

太陽のままで ここに居たい!と言った通りに

彼の宇宙は 出来上がっていく


そこに 居られない者は 別宇宙へ行くし

居る者は皆 太陽の方を向いちゃう^_^




時々、勘違いヤローを

「世界が自分中心に回ってる」なんて言いかたするけど


こちとら 世界どころか

宇宙ですからねぇ♪


密室と呼ぶには ちぃと広すぎるんだわ*)




★★★★☆




新しい社会に出るたび

フツーと闘う わたしたち


オギーは みんなに合わせて

「僕は普通じゃない」というけど


その実フツーなんて

どこにも だれにもないと知っていたから

闘う必要すらないと

深いところで分かっていたから



宇宙服なしで

ヘルメットなしで

我が宇宙を 泳ぎきったのね

(ねぇ、トム少佐^_^





いじめや障害がテーマ、と冒頭に書きましたが

例えば、いわゆる「障害(者)」を

“人と違う何かを持ってる人”と見るなら。

眺めは全く変わってきます。




人と人がつながる時

見せて、魅せられるのだ。


ここに登場する、オギーを取りまく人たちは

「障害(者)」を

コンプレックスを

遠巻きに眺めたりしなかった人。

だからつながれたのよね^_^



それも、数の仕合わせ。




★★★☆☆




《かずの葉の庭》主宰

|♫|高橋 早苗Facebook





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