映画「ラッキー LUCKY」
最近は じーちゃんばーちゃん(親しみを込めてこう呼ぶ^_^)が主役の映画、多いね。
その中でも ちょっと異色な作品です。
(あらすじ)
神など信じずに生きてきた90歳のラッキーは、今日もひとりで住むアパートで目を覚まし、コーヒーを飲みタバコをふかす。いつものバーでブラッディ・マリアを飲み、馴染み客たちと過ごす。そんな毎日の中でふと、人生の終わりが近づいていることを思い知らされた彼は、「死」について考え始める。
↑公式サイト
http://www.uplink.co.jp/lucky/#nav
より
《人間とは 生きてゆく上で 時どき 励ましを必要とする生き物なら
ぼくは確実に その力を ビルからもらっていた。》
・・・と語るのは 星野道夫ですが
彼、ラッキーが受け取る《励まし》は
目の前の現実から。
だから 毎日の日課をこなす
クロスワードパズルをし
言葉の 意味を追いかけ
馴染みのバーじゃ 客の意見に反論し
「魂なんてない!」と叫ぶ
現実主義の彼は
《自身が ブっ倒れる》
という現実を受けて
はて、これから・・・?
と考え始めるのですね
(御年やっと、考え出したのかい?というツッコミは まぁ置いとこうw)
公式サイトのコピーが 象徴しています
《銀行強盗もしない、飛行機から飛び降りもしない、人助けもしない。
「人生の終わり」にファンファーレは
鳴り響かない ―》
…しあわせの〇〇、ハッピーなんとか…などという
《みんなで幸せになりましょう》と誘いながら
《私、不幸せなんです》宣言をさせるような
裏を返せば すかさず 不幸自慢に入っちゃうような
そんな甘ったるい映画作品どもには
まるで 後ろから(静かに、あくまでも静かにw)一撃を食らわすような この作品^_^
終活もぶっ飛ばせ。な匂いプンプンです(´∀`)
ま、ブっ倒れた当人は 医者から
「正常。遺伝子的にラッキーだ」と告げられ
どうすりゃいい? と問いますが
「ヘルパーを雇え」という アドバイスは却下。
医者が言いますね
「私の父と 同じだな
老いよりも 自由を奪われることを 恐れる」
…そうなんだよね。
私の父も そうでしたよ^_^
恐れるものは
「死」そのものよりも
自由が なくなるのでは という恐れ
身体に不自由を感じたことで
それに気づき出していくのね
気づいたところで
目の前の 何かが変わる 訳はなく
朝は来る
いつものダイナーは 若者が席を占め
クロスワードパズルは 空白を埋めろと迫る
理想の女を手に入れた男が
逃げたリクガメに 財産を譲ると 決めた友が
危険にそなえ 同じことを勧める 弁護士が
それぞれに言いたい放題
そんな中でも
犬は吠え サボテンは水を吸い 亀は歩く
身を案じ 訪ねてきた ウェイトレスに
彼は 秘密を告げる
誕生パーティーに招かれて 唄をうたう
そうしてまた
朝を迎える
意識した《終わり》の影を ふみながら
今日も ラッキーは歩く。
・・・観た人の数だけ
《こたえ》がある映画です
「パターソン」が
リアルタイムの 日々の 歓びなら
「ラッキー」は
終わりを 意識した 老いの歓び
・・・ってところか。
そこに、絵に描いたような笑顔は いらないのだよ。
↑見よ!この仏頂面!^_^
…大丈夫。本編ではとびっきりの笑顔もこぼれます♪
公式サイト
…にしても、20代は これ観れないね。(場内もOver30以上かな〜と思われ)
お子ちゃまには 分からない映画が出来て
おとなには 嬉しいご時世だわ^_^
|☆|高橋 早苗Facebook
