無くしてきたものとひとつになるー「バクダッド・カフェ」Bagdad Cafe | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

 

 

久しぶりに

「バクダッド・カフェ」Bagdad Cafe

を観ています

 

 

 

「Calling you」が脳内リピート中^_^

 

 

 

 

 

ベガスへ向かう途中の夫婦

砂漠のハイウェイで喧嘩別れ

ジャスミンはスーツケースひとつ引きずり

ハイウェイを歩き出します

 

 

 

どこへ向かっているのかすらわからない

ただ”今までよりはマシなところへ”

 

たどり着いたモーテルは

バクダッド・カフェ

 

 

 

一方

カフェの女主人ブレンダは

ジャスミンのように飛び出すことすらままならず

 

旦那に、家族に

とにかくイライラしまくり

怒り爆発させまくり

 

 

突然やってきたジャスミンにも

不信感ダダ漏れ^_^

 

 

 

…この二人

それぞれに怒りから出発してるんですよね

 

 

そしてこの映画

「なぜ」がない

台詞で説明しない

登場人物についても説明なし

 

だからこっちも「なぜ」目線で見ると

訳がわからない話なんです

 

ブレンダがキレ続けるように^_^

 

 

 

なぜ彼女がここに来たのか

なぜ彼らがここにいるのか

なぜ女主人は怒っているのか

なぜ旦那は出て行くのか

なぜ息子はピアノを弾き続けてるのか

なぜ”バグダッド”なのか

 

 

それって全部

観てるこっちが

こうだろうと

勝手に思うだけなんですね

 

 

そういう思い込みみたいなものをとっぱらって

ただ眺めてみると

とっても面白いのです^_^

 

 

だから台詞の少ない映画って好き♪

 

 

 

ジャスミンは汗を

ブレンダは涙を

それぞれ拭いながら見つめ合うシーンが印象的^_^

 

 

 

 

おまけに(?)

ジャスミンが大粒の汗たらして引きずってきた

スーツケースは旦那のものだった

自分の着替えひとつない!そんな状況

 

 

 

ただ彼女は

自分のスーツケースを取り戻しもせず

その、引きずってきたケースを捨てようともしない

 

 

 

未知の世界へ

その身ひとつで

ひとり踏み出した彼女にとって

その役に立たなそうなスーツケースは

忘れてきた(無くしてきた)男性性の象徴みたいに

私には観えました

 

 

 

一番ムダ(と思えること)をやってみろ、みたいな

それを活かしてこそ

自身の女性性も輝くというね^_^

統合されるといえばいいかな

 

一番してこなかったことをして

もともと持っているものとひとつになる

 

 

 

彼女にとっては

ガラクタだらけのオフィスを掃除するのも

ピアノを聴くのも

赤ちゃんをあやすのも

マジックも

理屈なんかない

 

ただ目の前にあって

やらずにはおれなかったこと

 


 

目の前を受け入れ続けて

でも見てるだけじゃなくて

関わり続けて

だからマジックセットも捨てずに使った

 

それがあの

バグダッド・カフェの賑わいにつながっていくんだな

 

 

 

 

この映画の原題は

「Out of Rosenheim」

ローゼンハイムから遠く離れて

…ってところでしょうか^_^

 

 

おそらくは故郷から

そして旦那から

遠く離れて

 

 

慣れ親しんだ場所から離れて

今までならやらなかったことをする

(マジックは一つの挑戦だね^_^)

 

それは受け入れる人がいれば

受け入れない人もいるけど

(インディアン警官とか)

 

 

キャンプを張ったヒッチハイカーが

繰り返し飛ばすブーメランみたいに

帰ってくる

 

 

ジャスミンも

帰ってきましたね^_^

 


…何を話してるんだろう…

それすら語られないところがいいんだけど

 

 

 

ラストシーンにして初めて

よくある映画っぽい説明っぽい台詞のやりとりがあります

 

ジャスミンはコックスの問いかけに答える

まるで子どものような表情で

だけどはっきりと

自分の言葉で話すジャスミン

 

冒頭の

汗だくでスーツケース引きずる姿とは別人

 

一番

可愛らしいな♪

と見惚れちゃう彼女の姿ですわ(´∀`*)

 

 

 

また忘れた頃に

何度となく観るだろう

私にとって殿堂入りの一本です♪

 

 

 

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