オープニングのCGだけで
泣けてくる
花火が
逝ったひと達にしか
見えなくて
こどもの頃一度だけ
石巻川開きの花火を
桟敷席で見たことがある
母の膝に頭をのせて
少し眠い目をこすりながら
夜空に上がる花火を眺めてた
お腹に響く
ドーンという大きな音が
お腹に響きすぎて
子ども心に
お腹痛いのと勘違いするほどで
夜の北上川
川面の暗さと夜風と夜空の明るさ
お腹の響き具合と
花火は
死んだ人にも見えるように
上げるんだよ
という母の話
少しだけ怖さを含んだ
花火の思い出。
花火のいい思い出ってそれくらいで
その後の子ども時代はそれどころじゃなかったし
大人になってからも喜び勇んで花火大会に出掛けるようなこともなく
花火でテンション上がるヒトの気持ちもよく解らず
(↑あんたヒネ過ぎ(笑))
だから
昨年の8.11
一斉に花火が上がるってのはニュースで聞いて
現地じゃそんな余裕もないから手を差しのべてくれた人がいたんだな、よかったね
・・・ぐらいにしか見てなかった。
もちろん、私は現地からは遠く離れていたし。
3.11
あの惨状を目にした人が一度は思ったのだろう
「自分に何ができるんだろう?」
中止になった隅田川の花火大会
あの花火はどうなっちゃうんだろう?
花火師に電話をした
会いに行った
そして10日後には東北へ車を走らせていた。
・・・中止になった花火大会の花火を使って
各被災地で同じ日に一斉に花火をあげることが出来ないか
東北へ向かう車中
運転席の彼はこのアイディアのきっかけを話してる
すれ違うのは陸自のジープばかり
その日4月10日。
4月10日って
アタシ何してたっけ。家族親戚と連絡がついて、仕事に戻って
・・・そうだ、7日のあの酷い揺れで横っ面ひっぱたかれて、凹んでた。
地震酔いも治まったようで治まらず、自分の面倒しか、みる余裕なかった。
そう、被災地のどこも
余裕なんてあるわけがない
花火大会なんて言葉にするのもためらわれる程で、それは映像にありありと見てとれる
東北の人って、優しいな。と思いながら観てた。
「何言ってんだ、この有り様を見てから言え!」ぐらい言ってもいいのに。って。
だけどわかるんだよ
話を持っていった彼の気持ちも。
夏までになんとかなる状況じゃない、だけど花火大会なんてイベント事は、何ヵ月も前から準備をして初めて、当日を迎えられる
いまから準備しても間に合うのか、ってくらいでしょ。
まだ早い、不謹慎・・・現地の人たちの本音の隙間で
賛同した人がいた
「やりましょう」というひと言の、言葉の強さ。
ひとつの「やりましょう」が呼び水となったのか
やがて開催地は10ヶ所を数える
やると決めても、クリアしなければならない問題は山ほどある。
打ち上げ場所をどこにするか、花火を見る場所はどこか、お金のこと、消防と警察の許可・・・そして考えたくないことだけど、万が一地震が、津波が来たらどうやって避難させるか。
ひとつの思いが走り出して
周りを巻き込んで走り続けて
8月11日、その日を迎えた
見上げるひと達の笑顔と、涙と
花火は上からも下からも見えるって
本当だね。
10の開催地が本当に元気になった後も
この花火が続いて
岩手・宮城・福島以外の43都道府県にも拡がったら・・・
日本て、ひとつになれるんじゃないかな。
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