N.Y.マンハッタン
郵便局に勤めるハーブ
図書館の司書ドロシー
結婚して30年、小さなアパートは
彼と彼女の目に留まった
ミニマム・コンセプチュアルアートでいっぱいになった。
アートは観に出掛けていくもので
手元に置いておくものじゃない。私にとっては。
ってことは、ある程度評価されたもの
・・・コレクターなり画廊なりメディアなりの目を通したものにしか
お目にかかれないということになる。
確かに
己の眼しか信じないというその審美眼で
誰よりも先に見出だす喜びがあるんだろうね。
だけどね・・・
コレクション癖というものを持ち合わせていない私には
この二人の情熱は正直理解できない。
そのくせ
二人を観てて楽しくて仕方ないのは
やたらハッピーに見えるからで
いいなぁ~
とむやみに羨ましがってしまう。
出会った頃はコレクターよりもアーティストだったという二人
寸暇を惜しんでN.Y中のギャラリーへ出掛けていく姿は
まさしく“アートの森を散歩”しているようだ。
気になる作品に出逢うと
アーティストと友人になる
コレクションは一点限りではなく
時系列・作家・作風の変遷までわかるような目線を帯びていく。
有名になった二人のもとへ寄贈の依頼が舞い込む。
N.Y.ナショナルギャラリーが
調査の為運び出した二人のコレクションはその量
引っ越し用トラック5台分!
・・・ってアメリカンサイズですからね、トレーラー5台ですよ(笑)
(何故か映画「激突!」が頭に浮かんだ・笑)
エンドロールの後まで、終始ニヤけっぱなしで観られる映画も珍しいだろう。
唯一、クリスト&ジャンヌ・クロードが出てきて
そこだけ泣きそうになった。
セントラルパークの「The Gate」
あの場所に二人もいたんだと思ったらうるうる来て。
「わかるかしら
すべてが現実だから美しいのよ」
・・・はためいちゃうよサフラン色。
二人が集めたすべて
N.Yアートシーンの30年は
1000点余りがナショナルギャラリーへ
そして50点ずつアメリカ各50都市へ。
よく
○○コレクション展
とかお目当ての企画展のついでに覗いてみたりするけれど
正直楽しめた記憶がないんだけどね。
自分たちのお給料で買える値段であること
1LDKのアパートに収まるサイズであること
こんなわかりやすいコレクション展なら
楽しめそう!