「地球交響曲」監督初のエッセイ集。
初めてみつけた時に「向かい合えない」と感じたのは、
龍村監督御自身の母親との別れについて書かれていたから。
あとがきには「私は物書きの専門家ではない」と、謙遜の言葉もあるが、専門家には決して書けない文だなぁ、と思う。
例えば誰かが、監督に取材をして同じ話を書き上げたとしても、誰の興味も惹かないのではないかな。一人のヒトが、「地球交響曲」という映画を創るその過程で出会ういろんなもの、感じたこと、想ったことが綴られている。
映画の中に、また外で、一人のヒトを通して繋がっている、すべて。
・・・ひとつびっくりなのは、「第二番」にアイルトン・セナの出演が決まっていたという事実。
打ち合わせを終えてすぐ、彼は逝ってしまい実現することはなかったけど
・・・F1レーサーとガイアシンフォニーって、結びつかないよ。
アイルトン・セナ×龍村仁。
観たかったなぁ。どんな話をしたんだろ。
突然に逝ってしまう人って、きっと何かを教えてくれているんだよね。って
今は素直にそう思う。
遺された人達が気づくかどうか、は別にしても。
監督はこの人と決めながら出演に至らなかった方や
お会いしたいと思いながらなかなか叶わない方について
「まだ早いんだな」
と納得されている。
何事にも意味を見いだすのは人間だけだなんてよく言われるけど、いいじゃない。人間だけがそういうことできるのだというなら。
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