やるだけやるー「生きる」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。




自分の命が
あと一年や半年だとわかったら・・・
どうする?



30年勤め上げてきた市民課長

有給すら使わず
部下にからかわれるほど「真面目な」男は
自分が癌だと知って落ちこむ

妻には早くに先立たれ
同居している息子夫婦とは会話もない

誰にも言えずに男は
毎朝時間通りに家を出ながら
役所へは行かずに
時間をつぶすようになる



飲み屋で居合わせた
見知らぬ男と遊び歩き

役所を辞めた部下に会えば
高価な靴下を買ってあげる・・・

何をしていいかわからず、ただ以前の
 “自分の椅子を守るために時間をつぶす”
毎日へも戻れず
役所中に流れる憶測や噂話が
くだらなくあればあるほど
男は真剣にさまよっていた



「このままでは死ねない」
・・・思いつめた男はやがて
ある決意を持って
職場へ戻る



まぁ今時なら
闘病記の方が映画として成立するんだろうけど。
「癌=死の病」の時代ならではなのかな。



五万円て
今のお金じゃどれぐらいなんだろ?
公務員の友人などいない者なら
役人を大っ嫌いになれる映画だ(笑)。

それに、おっさん!
口下手も過ぎるよ
ぱっと言ってしまえば
なんちゅうこともないって思えるシーンがたくさん・・・



下手だから
いいのかもしれんけど。

下手だから
同僚も部下も上司も関係なく
頭を下げてまわる姿に
皆、根負けしたのかもしれないけど。



でさ、一生懸命生きた時間は後日談なのね。

役所へ戻った次のショットは
もう遺影なの。
早っ!



まるで、

   やるだけやったから
   後は誰が何といおうと関係ないね
   さよなら。


なんて、口下手さんが
腹の中で舌を出してるみたいな(笑)。



生きる生きる
黒澤明 橋本忍 志村喬

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