後悔は目に見える世界でのことー「時の翼にのって Faraway, So Close!」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。





人間になった“天使”は
天使でいた時のことを忘れない。
「時」が、人間のそれとは違う。らしい。





“壁”が消えたベルリンの街を見つめるカシエルの耳に
歌が聞こえる。
人間に恋をし「死んで」人間になった友の歌声。


いつしか自分も向こうへ行きたいと望んでいた彼は
ベランダから落ちた子供をつかまえた拍子に「人間に」なった。




自分の声を聞き
雨の冷たさを覚え
友に会い
オリーブの味を知る。


人間になったらやろうと思っていたことをやる。
だけど彼のそばにはいつも悪魔がいて・・・





まるで転げ落ちるかのようだ
人間の言葉でなら「間が悪い」とでも言おうか・・・





ことごとく“うまくやれない”カシエルを“知っていた”人間がいた。
見えない存在を信じる人。

頼まれて、年老い薄れた記憶の代わりに話す彼は
天使の顔。
・・・結局、人間の持つ時の流れに入り込んでそのまま、どこへ留まるでもなくいってしまった・・・





前作を知らずに観たら
本当に訳が分からず切なく悲しく
観ていられないだろう。対極。



だけど、そうなんだ、人の背中に翼なんか生えちゃいないし、目に見えるものがすべてな人達の「歴史」なんて、本当“見ていられない”くらい酷いもの。




・・・死を覚悟したカシエルはつぶやく
「もっと人間でいたかった」

そう、その後悔すら
「目に見えるものがすべて」
の世界でこそ、なんだよ。





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