以前から書こう書こうと思っていて、今になってしまいました。かなり基本的なことなのにね…。(^_^;)

まず、第一に、スタンプはできるだけ早めにインクを落とすことをお勧めします。
なぜか?それはスタンプの「もち」に影響するからです。
ラバースタンプのゴムはかなり変質しにくいと思いますが、さすがに十数年以上前のスタンプの中にはゴムが硬化してしまっているものもあります。

スタンプの種類と、インクによって落とし方が少し違います。


インクの種類による落とし方
すべてに言えるのは、まずインクベタベタのままで作業するより、あらかじめ不要な紙などに捨て押ししてインクを取っておくと良いです。(スタバン師匠の教え)

水性インクの場合は、早いうちならダイ(染料)インクでも、ピグメント(顔料)インクでも濡れ布巾や、ウエットティッシュでも落ちます。

あ、ダイインクと、ピグメントインクってどう違うの?この説明も要るかな。

ダイインクはサラッとしており、色は染料で作られていて、透明感があります。
手指、服などにつくと、染まっちゃって落ちにくいです。
紙に染みこむので、乾きは速いです。黒以外は耐光性の弱いものが多いですが強くしたものもあります。
今、プリンターのインクのほとんどは染料インクですね。
例:メメント、カレイダカラー、ウォルナットインク(スプレー)、インプレス=廃版、リトルパティ=廃版(ツキネコ、こどものかお)、Matchableインクパッド(Marvy)、Archival Ink、Distress Ink、Adirondack Dye ink(Ranger)など。

ピグメント
は、トロッとしており、色は顔料で作られていて、やや不透明または完全に不透明なものもあります。
乾きの遅いタイプは、エンボス加工に適しています。
例:アートニック、カラーパレット、ニジコ、バーサクラフト(ツキネコ)、カラーキス、ウォーターカラー(こどものかお)、Adirondack Pigment Ink(Ranger)など。
※布紙用のバーサクラフトは、エンボス加工にはあまり適していません。


ピグメントで乾きの速いタイプ
例:ブリリアンス、バーサマジック、オーパライト=廃版など。

落としやすいのは水性ダイインクで、拭き取るだけでほぼ落とせます。
アートニックなども使用後すぐなら濡れ布巾などで落ちます。
ただしメタリック系のインクは、どれもやや落ちにくいので早めに落とす方が楽です。
バーサマジック、ブリリアンスは乾きが速いインクなので、これも早めに落とした方が良いです。
この他、油性ピグメントインクのバーサファイン、クラシックがあります。
※この2つは同じインクですが、クラシックにしかない色があります。また浸透して乾燥するため紙以外では乾きません。
落とし方ですが、油性なので水ではなくスタンプクリーナーを使った方が良いです。

少し時間が経ってインクが乾いたものは、スタンプクリーナーを使います。

水性インクに使うのは普通のスタンプクリーナーです。
クリーニングツキネコサイトより
このように印面に直接塗って布で拭き取ります。 

クリーニング先端はこうなってます(ツキネコサイトより)

クリーニング
拭き取る布はマイクロファイバーのタオルというのがお勧めです。
100均などでも売っていますが、繊維にゴムが入ってるらしいです。このケバケバが印面の細かい溝に入って良く落ちます。色はいろいろです。
ホームセンターなどで束になってるものもあります。(安い!)

またスタンプの数が多い場合などは、スタンプ・スクラバーというものを使うと便利です。
クリーニングツキネコサイトより
こちらはツキネコで輸入しているものですが、ダブルスタンプスクラバーという名称です。
毛足のあるじゅうたんみたいなものを貼ってあります。
本体側は外れるようになっていてこちらは濡らして使います。
フタの方はくっついてますが、こちらは乾いたままで使います。
濡れてる方でインクを落とし、乾いた方で水分を取ります。

私の場合は、本体側にスタンプクリーナーを塗りつけ、少し水を垂らします。
水スプレーがある均一にスプレー出来て良いかも…。
大事なことは【印面をこするときに左右にこすらないで手首を回しながらその場で回転させるように動かす】ということなのです。なぜか?
はい、回りに飛び散るから、なのです。
クリーニングツキネコサイトより(新品!)

クリーニング
↑ちなみに私のはこちら。
使っているとかなり汚れます。洗剤で洗って、立てて
外れる方を上に乗せて乾かすと良いです。(あ、この画像がない…)

乾いた方を使ったあともまだ湿ってるので、布で水分を拭き取ります。
拭き取り用の方が濡れてきたら布で水分を取ると良いです。

油性インクの場合
ステイズオン
専用のステイズオンクリーナーで落とします。このクリーナーは普通のインクを落とすのにも使えますが、あとで印面を水拭きした方がゴムに良いそうです。
ダイインク、ピグメントインク(オペーク)、メタリックインクがありますが、ダイインク以外は落ちにくいので早めにクリーニングします。

クリーニングツキネコサイトより

使い方はステイズオン以外のインクの場合と同じですが、ステイズオンが溶けるまで、少し時間をおいた方が良く落ちます。
インクが乾いちゃったものはダイインクで約2~4分。一度で落ちない場合は数回試す。
クリーニング

拭き取りは同じくマイクロファイバーふきんがお勧めです。

ステイズオンオペークと、ステイズオンメタリックは落ちにくいので、なるべく早めに落とし、つけ置きの時間もやや長めのほうが良いかな~。約5~7分でしょうか?印面のデザインにもよりますね。
使用後すぐ拭けない場合は、クリーナーを塗っておくと良いんですが、触っちゃわないようにご注意くださいませ。

ステイズオンクリーナーで落ちない場合の裏技
あくまで裏技です。多少ゴムを傷めますのでご了承ください。(といってもすぐに傷むわけではないです)
最後に水拭きをしてくださいね。
クリーニング
エタノールを布に染みこませて拭きます。こちらはアルコールランプなどに使う無水エタノールですが、消毒用アルコールでも使えます。ただし落ちが良いのは無水の方です。
推奨してるわけではないのでご自身の判断でご使用くださいね。
★火気にご注意!


スタンプの種類による違い
全種類をテストはしてないのですが、メタリックインクやステイズオンを使う場合は、ラバー以外はやはり傷みやすいのでご注意ください。

1)ラバー(ゴム製)スタンプ
かなり丈夫なのでゴシゴシこすってもOK。ただし長年ゴシゴシやってると減るとは思います。
ステイズオンオペーク、メタリックなどの落ちにくいインクでもOKです。
インクを付けたまま長期間置いておくとゴムが硬化する場合があります。

2)クリア(ポリマー製)スタンプ(透明)
柔らかくて自粘着タイプのモノと、固い(日本の住所印など)ものがあります。
日光に弱く黄変するものがあります。アルコールに長時間浸すと膨潤(膨張?)することがあります。
ステイズオンを使う場合、早めに落とすようにします。エタノールは使わない方がいいです。
ブロックから外せるので、洗剤で洗うのが簡単でお勧めです。

3)シリコンスタンプ
最近出てきましたが非常に細かいデザインが可能です。かなり丈夫なようです。(持ってないので~)

4)消しゴムはんこ(塩ビ製)
塩ビ製のため、アルコールにはあまり強くないと思います。すぐにインクを落とすようにした方が良いですね。
また壊れやすいのでクリーニングの際はそっと拭いてくださいね。
スクラバーを使うと傷みにくいと思います。
インクの色で染まりやすいので、クリーニングしても真っ白には戻らないです。

5)番外:木製ハンコ
水に弱いので布で拭く方法が良いでしょう。
あまり持ってないので何とも言えませーん。(^_^;)

6)番外:活版印刷用の金属印
合金・亜鉛・真鍮・アルミニウム製) 
7)番外:はんこ
6と7は、インクに合わせたクリーナーで落とせるはずです。 

以上、-1-ということにしましたが、続きはいずれまた。