削除(上書き)してしまったデータを復旧しよう! 事前説明編

というわけで、間違って削除してしまったり、上書きしてしまったりしたデータを自分で簡単に復旧しよう! という感じで書いていきたいと思います。フリーソフトを1つ使うだけですので、初心者の人でも簡単だと思いますし、知っていて損はない方法だと思います。
さっそく、使い方とソフトの紹介をしていきたいと思うのですが...そのまえに今日は、最近の主流はSSDですが、ここではハードディスク(HDD)がどのような方法でデータを保存、削除しているのかを解説することにします。原理が分かっているほうが、「あー、そうなんだ。だからかー」って、すっきりする?と思いますので。
ですが、HDDにどうやってデータを保存したり、書き換えたりしているのか ということについて、疑問に思ったことはあまりないかと思います。
「なんか、中の円盤に磁気でデータを記録してるんでしょ?」と思っている人が大半だと思います。もちろん、そのとおりです(笑)
ですが、考えてみてください。データを書き込むのはそれでいいのですが、どうやって書き込んだデータを読み出しているか、考えたことがありますか?(まあ、大半の人が考えないですよね。)
「なんか、読み取る部分があって、ギコギコしてるんでしょ?」←その通りです。
ですが、一体HDDの記録した部分をどうやって一発で当てているのでしょうか?
えっ? と思った方。HDDは金属の円盤です。(記事のタイトル画像ですね)もちろん、円盤のどこにデータを記録してもいいわけですから、「書き込んだデータが円盤の内側から何ミリの位置の、どこにあるか」を知っておかなければ、記録したデータを正確に読み出すことができませんよね。
分かりやすく例えると、HDDをロッカーと考えてみてください。(ちなみに、よくある有名な例えです)記録するデータを靴とします。ロッカーには番号が振られています。
もしも、ロッカー番号を知らずに(覚えずに)靴を入れた場合、入れた靴を探すのには膨大な時間がかかりますし、もし同じ靴があったとしたら、どちらが入れた靴なのか分かりませんよね。
「ということは、もしかしてHDDにも保存場所の番号があるの?」と思った方。その通りです。
HDDにもロッカー番号のようなものがあり(アドレス番号ってヤツですね)、保存したデータと、そのデータがどこにあるかの番号を記録しています。 ちなみに、番号の記録場所は、データの記録場所とは別のところに記録されています。
ファイルを開くなど、データを読み出す処理をするときは、HDDの番号が保存されているところから、そのデータがどこにあるのかを探し、その後にその場所からデータを読み出す。という処理をしています。 普段、まったく意識することはないですね。
この番号があるからこそ、データを瞬時に読み出すことができるのです。さらに、高速に削除できるのも、この番号があるからです。
さて、データを削除するときは、HDDは一体どんな処理をしていると思いますか?
「うーん、データの書き込んでいる部分を、全部データなしの状態に書き換えているんじゃない?」と思った方。実は、通常の削除では違うのです。
その方法では、削除にものすごく時間がかかりますよね。ではどうしているかというと...
正確には、削除しているのではなく忘れさせているのです!(笑
カンの鋭い人は分かったかもしれません。というのも、削除するということは、データが読み出せない状態にするということ。つまり、データの保存場所が分からなくなるようにすることです。
つまり、通常の削除処理というのはHDDのデータの保存されいる番号を消すという処理なのです! この番号が分からなくなってしまえば、通常の方法ではデータを読み出せなくなるので、データは削除されたという扱いになります。
先ほどのロッカーの例えでいうと、ロッカー番号を忘れさせたということですね。
ですので、削除処理というのはファイルサイズが大きくても、さほど時間がかからないのです。
というのが、HDDの保存の仕組みの一部です。
削除処理の仕組みを考えれば、データがなぜ復旧できるかが分かるかと思います。
というのも、通常の削除では番号を削除しているだけなので、早い話がHDD全部をくまなく探せば、データ自体は残っているということなんですね。
ただし、すべてを検索しないといけないので、膨大な時間がかかりますし、削除してから時間がたっていると新しいデータが書き込まれているかもしれません。
番号のないデータは、HDD上では 別のデータに書き換えてもいいよ。(つまり、空いている領域ですよ)と処理されます。ですので、なるべく操作をせずに、早い段階でないとデータが上書きされる可能性があるのです。
というわけで、解説のほうを終わります。次は、ソフトの使い方を紹介していきます。