アラスカから戻り、スパイラルで、アートインスタレーション展を開催し、ショーも初日に行いました。ものすごくお金をかけてアラスカの雪の中に居る様な、カマクラのようなものを創り、中に入って体験できるようにしたり、相方と私の思う存分の表現をしました。
ですが、少しアート的な表現が多かったため、今までのエンターテイメントと違い、賛否両論でした。
でも、批判などは全く気にせず、次を考えていました。
相方と私はアラスカの広いエネルギーに触れ、世界に行きたくなりました。
絵画出身の相方と違い、私はもともとファッションの世界だったので、夢のもう1つは、パリコレに出る事。
今がその時だ。と感じ、相方に言いました。
「そろそろパリちゃう?」
「ん~そやな。海外行きたいな!」
「そやで!」
「ファッションゆうたら、パリやな!」
という事になり,(笑)
まずは下調べで、私と、まだ入社したばかりのアシスタントと一緒にパリへ行く事に成りました。
その頃、ブランドは大人気で、スタッフ募集の履歴書も凄い数の応募があり、そこから合格した人を面接するのに丸1週間かかるほどでした。それだけ凄い数の応募がありました。
企画やアシスタント面接は必ず、私達が行っていましたので、朝から晩までへとへとになっていました。(その頃は異常な忙しさで、朝から晩までへとへとで、休みも無い事がしょっちゅうでした。)
その面接にフランス語の話せる子が居たのですが、無事合格し、その子と2人で行く事に成りました。
パリへは24歳くらいの時、1人で行った事が在るのですが、それ以降全く行った事がなく、ワクワクドキドキでした。
しかも、今回は仕事で、パリコレに出る為の下見だったので、気合い入ってました!笑
1週間くらいの滞在で、色んなプレスを回りました。
パリでのコレクションは絶対!と言っていいほど、プレスと組む事が必須なのです。
パリでも有名なプレスとのアポをこなし、帰国の前日、少し時間が出来たので、移動遊園地に行きました。公園などに移動の遊園地がオープンしてるのです!
それはサーカステントにも似たイメージで、よくフランス映画などには登場していますね。

キラキラのネオンで、少し古くノスタルジックな雰囲気の夢の世界です。
音楽も古い、看板も古いファンタジーな感じで。。。
私は初めて行ったのですが、1目で好きになりました!!
お洒落で、楽しくて、夜だったので、真っ暗な夜の空を見ながら、乗り物に乗ってたのを覚えています。
不思議な感覚でした。
ここがどこなのか?今何時なのか?なぜここに居るのか?。。。と思いながら揺られていました。
「LICAさん、そろそろ、ホテルに帰りましょうか?」
と言う,アシスタントの声に、はっとして、
(そうだ、そうだ、パリに仕事出来てたんだ。。)
「うん、帰ろう!楽しかった!」
と急いで遊園地を後にしました。
あのまま、揺られていたら、どこか違う次元に行ってしまいそうな。。そんな感じでした。。
そして、なんと新人の日本人のブランドなんて絶対に、プレスしてくれないような有名なところが
格安で、プレスしてくれることになったのです!
なにしろパリファッションは、まず日本人を下に見ていますし、とても権力、名声などで決まる世界ですから、過去の日本人デザイナーも随分差別にあって苦労した話を聞いていましたので、とても嬉しかったです。
無事日本に帰国し、いよいよパリに向けて準備を始めました。
つづく。。。