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13階段 (講談社文庫)/高野 和明

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高野和明『13階段』(講談社)
第47回江戸川乱歩賞受賞作。
『13階段』は、そのタイトルに惹かれながらも、なかなか手にする機会がありませんでした。
正月休みに読む本を図書館で探していて、この本が目に入り、2010年の“読み始め”に選んでみました。
これまで多くの人に読まれてきたことでしょう。だいぶん痛んでました。
物語を簡単に紹介すると、
犯行時刻の記憶を失ったまま死刑判決を受けた死刑囚。事件には冤罪の可能性が。
手掛りは、死刑囚が思い出した“わすかな記憶”だけ。
刑務官の南郷と、前科のある三上が、冤罪を晴らすための証拠を求めて奔走する。
死刑執行へのカウントダウンが始まる中、二人は無実かもしれない男の命を救うことができるのか?
タイムリミットは、わずか3ヶ月!
タイトルは、死刑台に至る階段の段数のことだとばかり思っていました。
しかし、読んでみて、なるほど…こういう意味があったとは…!!(驚)
“死刑囚の冤罪を晴らすための証拠探し”をメインにしっかりと据え、サイドストーリーとして描かれる“人間ドラマ”が、いい味を出しています。
メインとサイドがうまく絡み合い、重厚な物語を織りなします。
証拠探しに奔走する二人のキャラが際立ってましたね。
死刑執行の経験を持つ刑務官・南郷を通じて、死刑制度の矛盾や危険性といった問題提起がなされます。
また、南郷と共に行動する三上は、かつて人を殺め、傷害致死罪により服役していました。
加害者である三上を登場させることにより、実際に与えられる刑罰と、被害者遺族の望む処罰との隔たりが描かれます。
脛に傷を持つ者たちを探偵役に配することで、彼らの抱える苦悩が浮き彫りになっていきます。
これが功を奏していたのではないでしょうか。
また、彼らが証拠探しに乗り出す動機。決して慈善事業のためではなく、高額の報酬が約束されていたからでした。
「とにかく金が欲しい」、「その金で人生をやり直したい」そんな切実な願いがリアルに響きました。
このシンプルにして身も蓋も無い動機づけが、抜群の説得力を伴い、読ませます。
いやぁ、噂に違わぬ出来でした!!
良質なミステリーの見本といった感じでしたね。
あれもこれも、色んなものを詰め込み過ぎてないところに好感が持てました。
何でこんな面白い本を今まで読まなかったのか…。
“ミステリー通”を名乗るにはまだまだですね(笑)
新人作家の場合、多少割り引いて見てあげなきゃいけなかったりしますが。
高野さんの場合はそんな必要もないくらい、デビュー作にして完成されている印象を受けました。
読んでて映像が浮かんでくるんですよね!
ちょっとしたお宝を掘り当てた気分です(笑)
今後も、新刊だけじゃなく、こういった掘り出し物を見つけていきたいですね。それこそ南郷と三上が執念で証拠を探し当てたように(笑)
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