浅田瑠璃佳@物書きブログ✡✡言の葉の楽園✡✡

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物書きです‍☺️
web小説と、普段の生活からの解説文を不定期アップしております✏️
アニメ呪術廻戦・推しの子・鬼滅の刃好き 東方Project・辛いもの・ポケモンのヌオー好きです

《過去の出演作品》

2022年12月舞台「時代はサーカスの象にのって」(寺山修司・作)

2022年9月映画「沈黙のパレード」

2022年5月13日公開映画「劇場版 おいしい給食 卒業」中学生の母親役

2020年10月21日(水) 24:25~「水曜!NEXT TVで見せれるMAXさん」再現ドラマ出演

WOWOW連続ドラマ「彼らを見ればわかること」SMクラブS嬢役(2020年)

映画「覆面系ノイズ」(2017年)、CM「アフラック」他、映画・CMに多数出演。

舞台「センターマイク」松山響子役(2011年)

舞台「神様の贈り物」リサ、エヴァ、メイリン役(2012年)

舞台「キャンプファイアー」(2014年)

舞台「熱風」みつこ役(2016年)



他、ニコニコ生放送出演や、都内バーなどの会場にて20回近くライブ活動をしていましたカラオケ



2016年5月25日(水)、CDシングル「R 始まりの歌」全国リリース!!

オリジナル全4曲

《収録内容》

1,BRIGHT~美しきあなたへ~

2,棘-i・bara-

3,Heart

4,境地彩光

ポップス・微ロック・ミュージカル曲までバラエティに富んだ一枚*



Twitterアカウント:@rurika0923

こちらも覗いてみて下さいねクラッカー

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コメントやいいね!ありがとうございます ニコニコ





昂希(こうき)は軽く笑い、驚き顔の菜月(なつき)を見た。


「お前、若旦那に惚れてんだな。」


昂希の言葉に、菜月の顔がかあっと熱くなった。


「それにうちのお嬢が気づいて、俺と結婚させて旦那を取られまいとした。 つまりお嬢とお前が俺を巻き込んだんだよ。」


彼の言葉は正論だった。

だが、しかし。

菜月は到底、納得出来ずに口を開いた。


「……私は、別に和雄さんに好かれてなんていない。 ただ好きでいるだけ。 それなのにこんな仕打ち……、突然夫ができて、気が狂いそうよ……。」


そう言うと、菜月は両手で頭を抱えてその場にへたりこんだ。

その様子を見かねた昂希はため息をついて、菜月に言葉をかけた。


「……とにかく、シャワー浴びてこいよ。 一息つけ。 疲れてんだろ。」


「一体、誰のせいよ……。」


思い悩む菜月を前に、昂希は再びため息をついた。


「俺とお前は同じ使用人同士だからな、その苦労は解るつもりだよ。」


「……私のこと、憎いんじゃないの?」


「……え?」


すっかり打ちひしがれた様子で、菜月は顔を上げて言葉を続けた。


「私はあなたのお嬢様と一緒に、あなたを巻き込んだのよ。 なのによく労いの言葉なんてかけられるわね、もう訳分かんない……。」


膝を抱えて身を縮める菜月を、昂希は気だるげにしばし見つめた。


「んー………、お前も被害者みたいなもんでもあるからな。 お嬢の旦那を好きになったのが運の尽きだってこと。 てか、若旦那なんかヤバくないか? 感情ないみたいだよな。 あれじゃあお嬢も可哀想かなとは思うし。」


「……和雄さんを悪く言わないで。」


突然、怒りを押し殺した低い声で言葉を吐いた菜月に、昂希は目を丸くして戸惑った。


「……怒んなって。 あーもう………、俺は何がなんでもお前とは夫婦でいなきゃなんねえんだ。 とにかく今日は出ていくから、また来るわ。 ……よく休めよ。」


呆れ気味にそう言うと、昂希はうずくまる菜月の横を通って部屋を出ていった。

背中でドアの閉まる音を聞きながら、菜月はあらゆる感情が入り乱れ、ただただ途方に暮れるのだった。



To be continued


~追伸~
TATSUさん、メッセージありがとうございますニコニコ花束
労働が続くと、三連休が輝いて見えるようですね昇天キラキラ

世間、もうちょっと休みあってもいいと思うんですけどね泣

お互い頑張っていきましょうちゅー



ここまで読んでくださり、ありがとうございます目がハート

昂希、けっこう良い奴かもはてなマーク

次回もお楽しみにニコニコピンクハート



カメ浅田 瑠璃佳カメ



「……ひゃっ!!」


自室のドアを開けた瞬間、菜月(なつき)は叫んだ。


彼女の目の前には昨夜と同じく、昂希(こうき)が自分のベッドに腰掛けていたからである。


「おう。 お疲れ様。」


飄々と労いの言葉をかける彼に、菜月は怒りを覚えて口を開いた。


「……あなた、どういう神経してるの?」


「どうって、こんな。」



「勝手に人の部屋に入らないで。」


「俺はお前の旦那なんだけど。」


「やめて。 私は全く認めてない。」


怒りで打ち震える菜月を呆れ顔で見てから、昂希は口を開いた。


「あんな大勢の前で祝福されたじゃんか。 もう逃れられないって。」


「……どうして、そんな冷静でいられるの!?」


きっと昂希を睨みつける菜月。


対して昂希は、別段表情を変えることもなく言葉を続ける。


「んー……あのさぁ、うちのお嬢の命令は絶対なのよ。 それが決まりなんでね。 」



彼の言葉に、菜月は目を見開いた。


「……何それ、つまりそっちの決まりとやらに、私は巻き添えくらったって言うの?」


「いやいや、何言ってんだ、巻き添えくらったのはこっちだろ。」


呆れながらも淡々と語る昂希に、菜月は不意をつかれた様な気がした。



To be continued



~追伸~

TATSUさん、メッセージありがとうございますニコニコ

なるほどYoutubeですねー!!

今、色々と調べてみていますルンルン

動画編集はお金と時間かかっても、やってて楽しくなるんですよね歩くスター

素敵なアイデアをありがとうございますキラキラ



皆様、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございますおねがいハート

「ある豪勢なお屋敷で」はまだまだ続きますので、次回もどうぞお楽しみに花



カメ浅田瑠璃佳カメ



翌朝。


主人たちの朝食前。

使用人たちが広間前の廊下に整列している。

その中には、かすかに目を赤く腫らした菜月(なつき)の姿があった。


しばらくすると、屋敷の主人である元治(もとはる)と若旦那夫妻の姿が見えた。

元治が一同に挨拶すると、続けて花梨那(かりな)が口を開いた。


「おはようございます、皆様」


若旦那の妻である花梨那は、いつになく明るい表情で使用人たちに挨拶した。

そしてそのまま、嬉しそうに言葉を続けた。


「実は皆様に、とてもおめでたいお話がございますの。 このお屋敷の使用人である入野菜月さんが、この度私の実家の使用人である上條昂希(かみじょうこうき)と結婚されました。 入籍後の報告で急になってしまったことを、深くお詫び申し上げますわ。」


すると使用人一同の列の一番端にいた昂希が、一歩前に出て頭を下げた。

それを見た使用人一同は、一瞬互いに顔を見合わせたが、すぐに皆一斉に拍手をした。


大勢の拍手の音の中で、菜月はただ一人顔面蒼白で、今にも倒れそうになっていた。


まるで地獄に突き落とされたような、そんな感覚を味わっていた。


「(………すさまじい、仕打ちですね、花梨那さま……。)」


そう思いながら俯く菜月を、花梨那は満足気な笑顔で見ていた。

一方元治は、動揺しながら花梨那を見やり、次に菜月を見て口を開いた。


「……いやあ、ずいぶんと急だね、驚いたよ。 私に一言ぐらい言っておいてくれても、良かったんじゃないか?」


穏やかな口調で元治が花梨那に言葉をかけると、彼女は少し残念そうな顔をして義父を見た。


「申し訳ございません、お父様。 実は菜月さんには前々から結婚の話を持ちかけていたんですよ。 うちの上條とは年も近いからどうかなって。 そしてついに、両人から承諾を頂けたんですの。 善は急げと言うじゃありませんか? ちょっと驚かせたかったんです。 」


流暢に話す花梨那に、元治はまだ戸惑いを覚えていたが、菜月に対する祝福の気持ちを述べた。


「……そうか、それはめでたいお話だ。 おめでとう、菜月さん。 どうか幸せになってほしい。」


元治の言葉に、菜月は唐突に現実に引き戻された。

自分の恩人でもある優しき主人の祝辞を、無下にすることは出来なかった。



「……あ、有り難き幸せにございます。」


なんとか主人に言葉を返した菜月は、いまだに自分が意識を保てていることに驚いていた。


一方、花梨那と元治の影に隠れたように佇む和雄(かずお)は、何も言わずにただ眉一つ動かさず、真っ直ぐに菜月を見つめていた。

┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

その日の夜、業務を終えた菜月は放心状態で自室に戻った。



To be continued




~追伸~

TATSUさん、メッセージありがとうございますちゅー花束

確かに最近ブログの更新早いかもですルンルン

本当は定期的にあげたいんですけど、なかなか上がらない時もあれば、たくさん上がる時もあります(笑)

小説、楽しんでくだされば幸いでございますお願い

偶然にも来週息抜きできるので、楽しみにしてますよグラサンキラキラ



皆様、ここまで読んでくださりありがとうございますキラキラピンクハート

主人公・入野菜月さんの夫である上條昂希さんの登場で、これからどのように、物語が進んでいくのか指差し

どうぞ、次回もお楽しみに愛



カメ浅田 瑠璃佳カメ