東京スリバチ学会 | とりあえず
東京の町歩きが好きな方ならば聞いたことがあると思われる東京スリバチ学会の皆川会長のお話を聞いてきました@法政大学マルチメディアホール~⭐

年度末に退職される陣内先生の建築フォーラムの番外編として急遽企画されたそうで、私も前日に偶然気づくまでまったくのノーマークでした!


テーマはズバリ、地形と水が育んだ東京の歴史と都市形成~⭐

皇居の東と西で、道の形状が違うこと、その理由は地形と水です。




大きな区分としては、山の手である武蔵野台地と川の手である下町低地ですが、その台地の中にも谷と名の付く低地と山と名の付くその回りの高台、そして田と名の付く川沿いの低地がたくさんあります。


また、江戸時代の地図で確認される用途も明確で、高台は武家屋敷、低地は職人や町人の住む下町です。高台の中の低地は大名屋敷の池という見事な規則性があるそうです!


現在、広い区画の武家屋敷が公共施設や高層住宅になっていますが、土地利用の考え方は変わらずに、江戸の構造が現在の東京に継承されているそうです。


こうした話は、感覚的に理解していたものが体系化されるので、すんなりと頭に入ってきます!
仕事の方も感覚的にすんなりと頭に入ってくれるといいのにな~?


近年の湾岸地域が例外にはなりますが、高台ほど高層建築という考察を裏付ける港区の断面図がまた面白いです。


東京と似て異なるのがローマということです。
ローマにも7つの丘があって、その間には谷があります。高台にリッチな人が住むのは同じですが、大型の市民の娯楽施設を低地に整備した点が違います!



また、東京は江戸時代に町造りが完成したため、それ以降はマイナーチェンジした程度に対し、ローマでは都市の上に都市が積み重ねられています。今なら、高台の谷間はブルドーザーで埋められていたかもしれないっていう笑えない話も聞きました。

テレベ川の洪水と嵩上げの繰り返しにより、古い都市が埋まったため、少し掘ると遺跡があるそうです!

14世紀に建てられた川沿いの教会の下には、4世紀建造の教会があり、さらにその地下には1世紀の祈りの場があり、現在も見学できるそうです。嗚呼、教会の名前を失念…涙!



このほか、ローマでは下水の整備が先に行われたことや、東京や京都の水路の整備、都市ごとの類似点や相違点など盛りだくさんのお話を堪能しました!

皆川会長のお話を受けた皆川会長、陣内先生、高村先生の鼎談は、聞かせるためというより自分の疑問を解決するためで、それを聞くのもまた楽しいものです。



この週末も、江戸東京の基層という続きを聞けるようなイベントがあるそうです~♪
これまで触れられていない古代中世の話のようなので、すでに決まっている予定の合間に行ってみようと思っています!


来月には、陣内先生の建築フォーラム最終回があります。その翌日も国際シンポジウムがあるそうなので、しばらくは目が離せません!