動画を見ても声がでないから、これから書くことは勘違いかもしれない。

 

長年一般企業で安全を教える立場にいた。0災運動やらロス・プレベンション・アナリシスやら、リスクアセスメントと実務に携わってきた。

 

事故(アクシデント)は、ハインリッヒの法則に従う。

 

ハインリッヒの法則とは、一つの重大事故(死亡、大火災…)が起きるには、その下に数十の小さな事故があり、さらにその下に数百のヒヤリハット、これは日本だけの言葉、世界的にはニアミスという、がある。

 

重要なことは、ヒヤリハット(ニアミス)の原因と重大事故の原因は同じだということ。だから、ヒヤリハット報告が重要になり、その分析が再発防止方法を見つける手段となる。

 

重大事故の原因の究明はしばしば困難なことが多い。犠牲者への対応や公的機関への対応に追われ、第三者の調査が入り、自社調査などやっている暇が無いことが多いからだ。

 

つまり、事故原因の調査よりヒヤリハットの収集・分析が現実には最も重要になる。

 

問題は、現場でヒヤリハットを隠そうとする傾向が必ず起きることだ。それを抑え、ヒヤリハットの報告が恥でも負い目でもなく立派な行為であることを意識付けることが、もっとも難しい。

 

したがって、事故ではないヒヤリハットを起こさないようにと伝えると、ヒヤリハット報告はでてこなくなる。

 

イジメの問題がそのいい例だ。イジメ問題の報告が、イジメはあってはならないという意識があれば、最悪の事態にならなければ表にでてこない。それが最も恐れる状況だ。

 

結論、重大事故を防ぐには、ヒヤリハット報告がたくさん上がってくる職場環境を作ることが最も重要。

 

多分、医療関係者はそのことが理解できていないだろうと思う。