哀れなるものたちをディズニープラスで観た。
Hなシーンが多いと聞いていたので、イマイチ観る気になれなかったんですが、結果めちゃくちゃ楽しめて、観て良かった映画でした。
エロだけじゃない…本能にも知性にもブンブンに振り切れていて、全てに潔く嫌味がなく、セックスも世界を知るツールの一つくらいにしか思ってないベラが痛快で、なかなか過激な内容ではあったがさらっと観れた。
子どもは気に入った遊びを何度も繰返すけど、性の喜びを知ってしまうとああなってしまうのかな…。姿が子どもであればその道に誘おうとする人間も現れないだろうが…。とにかく子どもの持つ無限の体力が性に遺憾無く発揮されてるのが何とも、観てるこちらも悩ましい気持にさせてくるベラの振り切れた奔放さも良かった。
お金がなくて風俗で働くシーンでも、パートナーに批判されようとも、自分の力で稼いでいるのと他人の感情に惑わされない強さが羨ましくもあったが、確かに可愛げはないわな笑
とにかく私の好きな『賢くて強い女』の極限みたいな主人公で、とても良かった。
ほとんど感情を出さないベラが唯一、貧民に対してだけあれだけ悲しんだのはちょっとピンと来なかったけど…本人は母性が欠けている自覚はあったみたいだし…だけど赤ん坊が可哀想なめにあっている現実で大泣きする。このシーンまでにどういう学びがあったのだろう。
そしてふと思ったのが、ベラの脳みそは男の子だったのか女の子だったのか。なんとなく、母性が欠けている自覚があるあたり、男の子だったのかなーと思ってみたり。(勿論、母性が欠けている自覚のある女性もいるので、定かではない)
また、ベラの猟奇的な側面は、環境のせいなのか、遺伝のせいなのか…両方とも言える。てかサイコパスって遺伝するのかな?そんな事が気になった。もし遺伝するのであれば、ゴッドはある意味最高な素材を持った遺体を拾ったもんだ。運命だなぁ。
そして、最初から最後まで倫理とは、良識ある社会とは、ということを考えさせられる。
ベラが誰なのかを聞いたマックスにゴッドが
「わからない。だが、ベラがいない世界を望むか」
と答えるんだけど、いや自己満が過ぎるなぁ!死んだ者を勝手に生き返らせやがってよぅ!とは思ったものの、だがしかし普通に人が人を産み出す事であっても、結果同じなんよなぁ。自己満足に過ぎない。それに死んだヴィクトリアとは別人格だしね…。結果的にベラは生み出された事に感謝してたし、最後の結末も、倫理的に疑問であっても、結果オーライみたいな展開で、スカッともモヤッともする不思議な映画だった。
衣装も美術も凝ってて、カラーになってから絵面がずっと美しくて、視覚的にも満足だった。音楽もなんか歪んでて、でも雰囲気は壊れない、むしろこの物語に的確な音色で、嫌悪感が全く無く世界観にのめり込めるよう作られてて良かった。
あとベラとは別に好きなキャラクターはハリー。彼は捻くれて悲観しいな性格だけど何故か憎めない。何も知らないベラに現実を見せて傷付けたかったって感情も、なんだか共感できちゃう。ベラがハリーを『世の痛みに耐えられない少年』と指摘していたけど、その指摘に自分も心を射抜かれたような…胸がギュンッって締め付けられた。ハリーは自分に一番近い存在かもしれない。だから好きなのかもね。
私的にはとても満足だったけど、エロいシーンが多いのと、解剖的な意味での過激なシーンもあるので、人に勧めにくいっちゃそう。そういうの全然オッケーって人にはめちゃくちゃオススメです。
★★★★✩