ながいながい犬のはなし。( バタ戸の向こう日記) | パラダイスカフェのブログ

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パラダイスカフェ キッチンカーに生まれ変わります。
怪しげな軽トラで出没します。出没予定はブログにて。
パラダイスカフェ×太陽のカレー 

わたしの実家では、私が高校を卒業したころ、ビーグル犬のゴンちゃん( ♂) を初めてかいました。
( それまでは、カナリヤやインコ、更にはウサギだけだった)
ペットショップで買った子犬のゴンちゃんは、コロコロとして元気で、本当に可愛かった。
お散歩も大好き、ご飯も大好き、でもしつこくされるのはイヤで、勝手にお利口で遊んでいる、のんきな可愛い犬に育ちました。
公園に散歩に行くと、はしゃいではしゃいで… はしゃぎ過ぎ、リードが外れ、よその人がピクニックしている所におじゃまして、お弁当のオカズを分けて頂いたり。( あの時は有り難うございました)
そんなゴンちゃんに異変が起きたのは、私が結婚して家を出てから。
母が「 ゴンちゃん、大変なのよ」 と。
どうやら、癲癇で時々発作がおき、そうなると数日寝ないで家中を歩き回り、それはそれは大変と。
わたしはその現場を一度も見たことがないのですが、両親と弟はかなり、大変だったらしい。

そんなゴンちゃんを連れて、両親は父の定年後、宮城県へお引越し。
環境が変わるもの、ゴンちゃんの癲癇発作は治らず、たびたび発作をおこしていた。

そして、わたしが長女を出産ししばらくしたある日、遠く離れた母から電話が。
わたしの記憶では、真冬の雪が降る寒い朝だった。

母は「 ( 私の名前を呼び) どうしよう! 庭の薔薇の根元に、知らない犬が座ってる。雪の上に座ってる」 と。
私が「 どうするって、えぇ?? その犬、飼う気なの?」
母「 だって、雪の上に座ってコッチ見てる、寒いしかわいそう」
私「 飼う気だったら、つかまえたら?」
母「 うん、やってみる」

私は乳飲み子の長女を抱いて電話をしていました。そんなに長い時間ではなかったのに、長女が重くて腕がしびれたのを覚えている。

私との電話の後、母は冷蔵庫を覗き、中にあった「 竹輪」 ( 後日、母曰く、買い物前で犬にあげられそうなものは竹輪くらいしかなかったと) をちぎり、その薔薇の下に座る犬に「 ほら食べなさい 」 とあまり近付かないようにしながら、でも軽く投げるように、あげたらしい。
ただ、その犬は、怖かったのでしょう、すぐに逃げたと。( この説明電話が、すぐ来た)
そして、その日はもう、逃げたまま現れなかった。

次の日朝、目覚めてカーテンを開けると、庭の薔薇の根元の昨日と同じ場所に、その犬はこっちを向いて座っていた。
母は昨日と同じように竹輪を持って、、、父を呼ぶ。

両親は前日のうちに打ち合わせをしていたらしい。
ゴンちゃんのケージが二つあり、一つはドライブ用にと車にひとつ。
もう一つは、来客などがありゴンちゃんが興奮するといけなからと、お部屋用にひとつ。
そのうちの車用を、庭にある大きな屋根の下に置いておき、もしもあの犬がまた来たら、いつでも入れられるように、、、と。

そして、まさに、今その時!!

母が昨日と同じ竹輪をケージの一番奥に入れ、その匂いにつられ、犬がクンクンクンと寄ってくる。( 実際見たわけではなく後から聞いた話)
その後を父がそーーっと近づ き( 犬もよく気付かないと思うけど) ケージに上半身が入ったあたりでお尻をぐぐっと押し、急いでケージを締める。( ほっ)
あの真面目一本の父が、よくそんなことを、、、と、後日談を聞いていて可笑しくなりますが。
そうやって、我が家の一員になったのがシェットランドシープドックの「はなちゃん」。

まー、最初はどろどろゴテゴテの犬で、誰もシェルティだとは思ってもいなかった。
まっ、他の犬より「 少しは鼻が長いかなー」 くらい。
何しろ、田舎の方では、放浪しているようなコトを方言で「 のっつぉ」 と言います。
だから、使い方としては「 はなちゃんは、のっつぉ」 だったからねー、と。

何しろ出産したばかりの私は愛知県、かたや両親は宮城県。
なかなか会うこともできず、この犬の話はもっぱら電話ばかり。
かなり時間がたった頃、母から手紙が。
手紙なんて、そうそう送られてくることはなく( だって電話は頻繁にしてますから)、正直送られてきた手紙は、「 なに?」と思い、どきりとしました。

開けると、短い手紙と一枚の写真が。
手紙には「 花のように可愛い女の子になりますようにと願いを込めてはなちゃんにしました。どうぞよろしくね」 みたいなことが書いてあり。
写真ははなちゃんを抱いて笑っている母の写真でした。

写真のはなちゃんは、緊張しながらも少し笑っており、とてもキレイな犬でした。
どうやって、「のっつぉ」 のはなちゃんをあそこまでキレイに出来たのか?
いまだに謎ですが、とにかくキレイな美人さんの犬になりました。

何しろ「 のっつぉ」 ですから、お部屋でトイレなんてできません。
だから母は時計をしょっちゅう確認し、トイレに連れ出す毎日。
朝晩日中数回、ゴンちゃん&はなちゃんのお散歩は日課に。
ご近所の犬仲間にもあたたかく迎えられ、皆に「 いい人にひろわれたね」 とか「 こんなに美人だったんだねー」 とか言われたとか。

そして数年後、わたしが次女を出産。
その次女が、、、ふしぎなことを言い出すのは、やっとしゃべり始めた頃、、、。

つづきます。