斉藤です。

この間、仕事で東京に行った時、いつも通り堀内さんの家に泊めさせてもらってました。

夜中に家に着いて、おしゃべりをした後、4時ぐらいに寝ようとすると

あれ、お腹が痛いかな?

と感じたので、いつも通り自分に、たいしたことない、お腹なんか痛くない、と念じた矢先。

生涯味わった事のない怒涛の痛みが急に押し寄せてきた!




あれ?どうした?何これ?

得意の念仏も唱える隙もなく痛みがくるので、精神を立て直す暇がない。

僕は腹痛はよくなる方で、どんな強敵もトイレ一発で治してきたが、
トイレに行こうにも、5秒間隔で襲ってくる痛みの絨毯攻撃に
一瞬でも気を抜くとやられてしまう。

動く事さえできない。。




『死んでまう。』




頭に初めてよぎった。

僕は迷わず

『堀内さーん』と

すでに寝ている堀内さんに助けを求めた。




『どうした?寝れないの?』

あいかわらず、すっとんきょうだ。

寝れないだけで先輩をわざわざ起こさない。




『お腹が痛いんで救急車を呼んで下さい。』

僕は断末魔の表情で訴えた。

さすがの堀内さんも

『まじで!わかった。』

と、かなり心配した表情ですぐに救急車を呼んでくれた。




堀内さんは、わざわざマンションの下に下りて救急車を誘導しに行ってくれた。

なんて優しい先輩なんだ。痛みがピークに達しながらも『ありがとう』の気持ちで
一杯になった。

『こっちです。』

堀内さんの声とともに救急隊員がやってきた。




すると

なんとさっきまで僕のお腹に猛威をふるっていた腹痛がぴたりとやんだのである。

うそだろ、なんで?

救急隊員は必死な形相で

『大丈夫ですか?頑張って下さい。』

と語りかけてくる。

堀内さんも

『優、頑張れ!すぐ病院に連れていってやるからな!』

10年の付き合いで初めて真剣だ。




やばい、腹痛が治りましたとは、口が裂けてもいえない。

一世一代の大芝居をうつしかない!

僕はうずくまって重病のふりをした。




救急車では病院の受け入れ先がなかなか決まらず
救急隊員が喧嘩ごしで無線でもめている

堀内さんも『早くしてあげてくださいよ!』
と声を荒立ている。

ドラマみたいな景色を腹痛も完全に治り健康な僕はびっくりするほど客観的に見ている。

どうせなら病院が見つかるな!その願いもとどかず病院にたどりついた。




病院は受け入れ体制ばっちりですぐに検査がおこなわれた。

1時間程の検査で先生がだした結果は


『お腹冷えちゃたね』
の一言。

僕は『ですよね。』

と一言。




その結果を堀内さんに伝えると

『だろー怪しいと思ったんだよ。救急車での痛がりかたがさー』
と芝居もばれていた。

みなさん本当にすいませんでした。