ホストファミリーが、私がたまに行く小さな大衆食堂で働く人とこんな会話をしたらしい。


大衆食堂の人:「日本人は何食べるの?この前うちに来たけどあんまり食べずに帰っていったよ」

ホストファミリー:「そう?家では普通に食べてるけどね」

大衆食堂の人:「へー何を出してるの?」

ホストファミリー:「トルティーヤやフリホーレスや、鶏肉や・・・何でも食べるよ」

 以下、省略。


 といった具合である。食堂では大抵全部たいらげてくるので、「残したことあったかな?」とよくよく考えてみると、食堂を初めて訪れた日に、町の暑さと食堂のモワっとした熱気とに負けてあんまり食べられなかったのを思い出した。


 なんせ小さなコミュニティ。みんなが知り合いなので、私が何をしているかも何となく筒抜けである。


 ホストファミリーが言う。「市役所の人と話をしていて、分からなかったら小さなコンピュータみたいなやつ(電子辞書のこと)で調べてるんでしょ」と。どういう会話の流れでそんな話になったのかはさっぱり不明だが、そんなことまで伝わっているのかとハハハと苦笑いするしかない。


 なんせ小さなコミュニティ。私の全く知らない人も私がどこに住んでいるか知っているらしい。


 こちらのバスはルート上であればどこからでも乗れ、どこでも降りられる。バス停みたいなものはあったりもするのだが、道端で手をパッとあげればバスが止まってくれる。降りるときも席を立ち「降りる!」と言えば停まってくれる。だから私が家に帰るとき、大体この辺かと席を立ったときに、集金係の人が「どこで降りるの?」と聞いてきた。通りの名前など分からない私は「もうちょっと上」と答えたら、近くにいた見ず知らずの人が「○○さんのとこだよ」とホストファミリーの名前を言っていた。

 

 小さなコミュニティなので、どっかの誰かが浮気しているという類の話まで聞こえてくる。