アニメ版シュタゲ終了記念その2 | Papytat~東京農工大学生協読書部~

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コンニチハ。

前回に引き続き、タイムトラベル小説を挙げていきますよー。
さくさく行こう。


5 猶予の月 神林長平

タイトルの読みは「いざよいのつき」。

地球の時間に干渉する力を得た月人たちが、それぞれの理由で地上に降り立ちます。
あるものは弟との禁断の恋を正当化するため、
あるものは支配のため、あるいは恋人を追いかけて。
月人たちの闘いに巻き込まれた結果、地球からは「時間」が消し去られてしまいます。

「時間のない世界」とはどんな世界なのかをひたすら理屈で突き詰めて、
その思考結果をSFに仕立ててしまった凄まじい作品。
序盤はややとっかかりにくいかもしれませんが、
物語が進むにつれて浮かび上がる幻想的な「時のない世界」のビジュアルに圧倒されるはず。

この作品も、ヒロインがかわいいです(←重要)



6 ラーゼフォン 時間調律師  神林長平

神林長平連投です。
テレビアニメ「ラーゼフォン」を原案にした作品ですが、
いくつかの設定と固有名詞が共有されているだけで、
ストーリーは全く別物。

死ぬたびに16歳の夏へと戻る時間ループに何千年も捕らえられた主人公。
この異常な状況から抜け出すべく、彼は「別の平行世界の自分」の助けを
借りつつ、平行世界を移動し時空を操作する神像「ラーゼフォン」を手に入れるべく
闘いを開始する、という話。

平行宇宙ものの作品の中では、個人的には一番好きかも。
やはりビジュアルが素敵すぎる。
無数の平行宇宙をハープの弦に見立てて「調律・演奏」を行うラーゼフォンや、
圧縮した時間の欠片をまき散らしながら鳴り響く「時間棒」のチャイムなどなど。
「SFは絵」というのは金言です。

神林作品のタイムトラベルものなら、他にも「機械たちの時間」なんかがお勧め。



7 目を擦る女 小林泰三

エログロホラーとセンチメンタルSFの二面性を持つ(ただし両方ともハードSF)小林泰三の短編集。
笹井一個の表紙にびびらず、まあ読んでみてください。

表題作も面白いですが、ここでお勧めするのはコメディ調の「未公開実験」
画期的な方法でタイムトラベルを実現したと主張する変な友人に
振り回される男たちのお話です。

別の短編集「海を見る人」もタイムトラベルものを収録してます。
こちらはほぼグロ無しなので、苦手な方はこちらでも。

タイムトラベルものではないですが「目を擦る女」収録の
「空からの風が止むとき」も好きですねー。
ヒロインがかわいいから(←重要)


8 まだ見ぬ冬の悲しみも 山本弘


平行宇宙と言えばこの人(個人的見解)。「と学会」で有名な山本弘の短編集です。

表題作は平行宇宙を利用したタイムマシン(と言っていいのかは微妙ですが)をネタにして
ます。タイムトラベラーになりたくなくなること間違い無しww

山本弘の短編はしっかりハードSFしていて、かつ読みやすいのでお勧めです。



…とりあえず思いついた順にタイムトラベルものを挙げました。まあ「タイムマシン」とかはわざわざ紹介しなくてもいいだろうし。他に挙げるとしたら、フィリップ・K・ディックの「ペイチェック」や「マイノリティー・リポート」、ジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」とか。

最近は「タイムトラベルもの」から「平行宇宙もの」にシフトされる場合が多いので、「ハルヒ」みたいな一本道のタイムトラベルものは逆に珍しいですね。シュタゲは、その点も踏まえてのタイムトラベルものというところが面白かった。


今回はあえて
「戦国の長島巨人軍」
みたいなイロものは外してありますが、
「歴史改変ものフェア」ってのも面白いかもですね。
「アーサー王宮廷のヤンキー」から「ウォッチメン」まで。

ではでは。