妄想ロードショー | Papytat~東京農工大学生協読書部~

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こんばんは。うっかり買った「星川銀座四丁目」一巻を読んで、
精神汚染に苦しんでいる ナカムラです。
こ、これだから黒鉄絢は…!!

(この人、「楽園」で描かないかなあ。「わたしの軌道」みたいなSF色のがぜひ読みたい)



夜ご飯を食べていたとき、ふと

「『カリオストロの城』の真の黒幕がクラリスだったら」

なんてことを思いつきました。


自分の人生を縛るカリオストロ家を潰すため、少女クラリスが描いた完全犯罪のシナリオ。
庭先に転がっていた間抜けなコソ泥を利用し、十年以上をかけ、時には自らを囮にし、
純情可憐な少女を演じて周囲の状況を操る悪女クラリス
そしてもくろみ通りにカリオストロ家は崩壊。
逃げていくルパンを見送る彼女が胸に抱くのは、
もちろん初恋の純情ではなくニセ札の原版(フジコとは共謀)。

塔に侵入してきたルパンに背を向けて
「計画通り」
と顔を歪めて嗤うシーンは必見です。



…長編ルパンでは、「ワルサーP38」と「Dead or Alive」が好きですね。
特に「ワルサー」のシナリオ。人に優しくありながらも「悪党」なルパンの表現が秀逸。


あと、サラ・ウォーターズの「エアーズ家の没落」を読了しました。あとがきを読んで、ようやく原題が「The little stranger」であることを確認。うぉい。なんだ、この邦題。すげー重要な情報伏せてんじゃん。意味を知りたい人はぜひ読んでください。

いつものウォーターズとラストの印象は違いますが、これはこれでけっこう怖かったのでOK。とにかく舞台となる洋館の描写が緻密で美しく、そのせいで忍び寄る怪異の説得力が何倍にも増幅されてます。この作者は読者をきりきりまいさせるのが本当に好きで、しかも上手。

「ずっとお城で暮らしてる」を思い出しました。あれも良かったなー。


…次回妄想ロードショーは、
「魔女の宅急便」かも。