読書感想文その1(byぶし) | Papytat~東京農工大学生協読書部~

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『神様』

著者:川上弘美
出版:中央公論新社
 

<感想>
 最近の小説は説明しすぎだと思う。
 なぜ、わざわざ“不思議”にそれらしい理由をつけるのだろう。
 わからないものは、わからないままにしておく。そうして初めて、文章の中に神秘を感じることができるんじゃなかろうか。


 この小説には、不要な説明はない。
 不思議な”神様”たちが日常のなかにひょっこり現れては、すぅっと消えていく。そんな話だ。
 
 隣に引越ししてきたクマとピクニックに行ったり、
 梨園のお手伝いで白い小動物を拾ってきたり、
 河童に男女の営みを相談されたり、
 壷の中から出てきた女性に恋愛の愚痴を聞かされたり、

 不思議と優しく、不思議と可笑しく、不思議と切ない、そんな九つの物語。


 これを読めば、日常に潜む”神様”との接し方がわかるかもしれない。 
 短編集で値段も手ごろなので、ぜひ一読を。
 


<備考?>
 五月の棚として自分で選出して、自分で買いました(笑)
 冒頭の『熊の神様』は国語の教科書にも載っていたのですが、あまりにも印象的だったんでこの機会に購入を決めました。ぜひぜひ、読んでみてくださいね~。
 本の紹介、こんな感じでいいのかな……。