齢と共に
景色は変わり
目線も
価値観も
多くが変わる

それ相当の努力を重ね
そこへと手当てを施してもみるが
なかなかどうして
景色は急ぎ足で逃げて行く

言葉はまだまだ
出て来るけれども
そこへとハマる
丁度良い言葉は現れず
仕方なくも違う言葉を代用する

振り返れば
あの頃って時ばかりが輝いて現れ
先を見ることを拒み続ける

残りの時間が分かるのならば
ペース配分も出来ようが
出来るはずなく欲張ってもみる

やりたいこと
行きたい所
手に入れたい物
会いたい人…

昨今
若くして去る
わずかに上の世代の方々

やり切れたのだろうか
遂げられたのだろうか
叶ったのだろうか　と

勝手に想いを巡らせ
言葉を失う

還暦とは
フリダシに戻ったことで
新たな始まりだと
聞かされたけれど

続く道は
やはり険しく
すべては健康に
そして運に
支配されているようだ

最愛のぱふを失い
1年が過ぎて
その間
多くのことを考えさせられた

いっそ
一緒にとも心よぎったから
心の上げ下げは
身体のそれよりも大事らしい

とうとう冬が来て
背中を丸め
コートを羽織る

すれば
自ずとネガティブな想いへと
迷い込む季節

いっそ
冬眠でも出来たならば
春の里山辺りで
起こして欲しいが

63度目の冬は
無事に越せるのだろうか

さて
次の孫は
男の子だろうか…

63度目の冬に