今日、ピアニストさんと合わせのレッスンをした際、「伴奏者が相手を食ってしまう」という話が出た。どうしてそういう話になったのか、という経緯はこの際、置いておいて、私は、直ぐに昔見た、NHKスペシャルの文楽の放送を思い出した。調べてみると、丁度、見たい箇所がYouTubuに出ていて助かった。「Bunraku 人間国宝ふたり 住大夫 越路大夫」で見れると思います。

この中で、越路太夫さんの引退の話やら、なにやら、兎に角、全部、当然勉強になるのだが、其の中で、住大夫さんが「ここはえらいでんなぁ。」というところがある。それに対して、越路大夫さんが、少し笑いながら「え、まぁ、えらい。兎に角、えらいですよ。え、いつも言うように、楽なもんはない。楽なもんは、楽したらお客さんは応えない。ほんまに。」と言われる。

私は、こんな至芸の人と比べるべくもないが、ないけれども、それでも、「ああ、楽なところへ行くなぁ、情けないなぁ」と思う。あんな名人でも、「楽したらあかん」と言っておられるのに、私のような人間が楽して良い筈がないと思った。

うちの親父は、字の勉強中、眠気が指したさい、夜中にボールペンを太ももに刺したと言っていた。まぁ、昭和も終わり生まれの私が同じ事が出来るかといえば出来ないが、しかし、何とか、それでも、やれることをやろうと改めて考えた。

しかし、同門は猛者ばかり。

とはいえ、出雲のテノールは所詮出雲レベルだったなんてことは言わせない。
ここいらの連中と同列に扱われて我慢などできるものか、と心に決めた。