給料日のあくる日、今日は寿司だと思って食べに行く。そんな高いものは食べられないが、身の丈にあったものを頼む。
1番お安い握り八貫と鉄火巻一本と揚げ物。
勘定を済ませて外に出ると月が綺麗だった。12月も10日過ぎたとはいえ、コートはいらないくらいなので、少し歩く事にした。
その帰りコンビニへ寄って少し買い物をしたのだが、レジで並んでいると変わった風貌のお兄さんが入ってきた。混んだレジの前で並んでいるとそのお兄さんが私の後ろへ。
月のせいか、疲れのせいか、お釣りを財布に入れる時お金を落としてしまった。
レジのスタッフさん側からは見えるが私からは見えない。スィーツの棚の下に入ったようだったが、その時、そのお兄さんが、まごついている私に代わって棚の下にあるお金をとってくれた。
私は、ありがとうございます。優しい!
と言うと笑顔になったのだが、この値段は10円だ。
私は、すこぶる儲けたと思った。
お金に余裕などない。けれども、10円で人の優しさを間近にしたのなら、本当にラッキーだと思いながら、月夜を帰路についた。
お金の価値を考えながら。
まさりけり(る)
人目も
草も
かれぬと
おもへば
古今集 冬ぞ 315 源宗干朝臣










