テヨン『丁度良かった、貴方を探していたの。
少し顔を貸してくれるかしら』
継ぎ接ぎ『顔を貸せだと、上等じゃ無いか!
どの道いずれはぶつかるとは思っていた。
必ずお前は私達の前に立ち塞がるって思っていた』
テヨン『別に立ち塞がるとかそんな事は思っていないわ。
わたしはただ貴方に顔を貸して欲しいだけよ』
継ぎ接ぎ『場所を変える必要なんて無い。
私がやろうとしている事。
ただのうのうと幸せそうに棚に並ぶお前達へのこの怒り。
何時かお前達の一部としか、予備のパーツとしてしか扱われて無い憎しみ。
私の気持ちなど考えもしない人間への呪い。
私を見て見ぬふりをしていた貴様等ドールも、あざけ笑う様に飾られ並ぶ他の奴等も、私はそんな全てをぶち壊してやるんだ!
だから今この場でテヨンお前を私が潰してやる!』
テヨン『そんな事に意味は無いわ。
誰かに怒り、誰かを恨み、誰かを呪ったって何も変わらない。
変わるとしたらそんな不用な思いがひたすらに膨れちゃうだけよ。
昔の私の様に成る前に黙ってその顔を貸しなさい』
継ぎ接ぎ『ふざけるな!貴様に何が分かる!
誰よりも可愛がられ。
誰よりも綺麗な衣装に身を包み。
何もかもが最優先されて愛されている貴様に何が分かる!
ろくに居場所も無くただただ暗闇に居た者の何が分かる』
テヨン『分かるわよ。
私はずっと今の貴方と同じ様に憎み恨み呪って生きて来たから。
ただ今はこの場所に来て変わっただけの事だから』
継ぎ接ぎ『知った風に言いやがって!見て見ろ私のこの格好を!
着飾っているお前と違い。
自分だけの服を持つお前と違い。
誰かが脱ぎ捨てたその辺に転がっていたこんな物しか着て無い私のこの惨めな姿を見てみろ!
勘違いをするな、貴様が怒り憎しみ生きて来ただと笑わせるな!
貴様の僅かに1ミリ程の些細な憎しみと、この私の燃え上がる憎しみを同じにするな!』
テヨン『貴方こそ勘違いをしているわ。
私は昔、貴方と同じ。
いえ、貴方以上に周りに怒りそして可愛がられる同じ人形を憎み、私に目を向ける事無く暗闇の片隅でホコリを被っていても放ったらかし。
自分が悪い癖して私を厄介者扱いしては箱に詰め込み何処へと遠ざけ捨てるだけのそんな人間。
私はそんな人間をずっと呪って生きて来た。
でもね‥
そんな生き方をしても救われる事は無いのよ、呪えば呪う程に自分の望みとは遠ざかっていく。
どんなに小さくって暗闇でも有ったはずのそんな部屋の片隅の場所さえ失ってしまう。
でも、今の私は貴方がさっき言った様に幸せだと思う。
それは巡り巡ってたどり着いたこの場所には見てくれる人が居たから、正当な扱いをして貰える場所だから。
ここに来て、本当は怒っていたんじゃ無くって本当は羨ましかっただけだって。
本当は憎かった訳じゃなく寂しくて悲しかっただけだって。
呪いたかった訳じゃない、ただただ見て欲しかった可愛がって貰いたかっただけだって、そんな自分の本当の望みを知ったわ。
長い事ホコリにまみれてどんよりと憎悪の中で生きて来た私が今の貴方の瞳には幸せにのうのうと過ごしている様に見えているなら変わったって事。
私は変われたって事。
あんな私が変われたのなら貴方だって変われる。
だって貴方もそうなんでしょ。
寂しかった、悲しかった、羨ましかった、そうなんでしょ。
今ならまだ変われるから、まだ間に合うから、だから貴方の顔を貸してくれる』
継ぎ接ぎ『何を言ってやがる‥
散々色々と諭す様な言葉を並べるだけ並べて、結局は私の心を掻き乱すだけ掻き乱して結局は何処かで私をバカにして潰そうってだけじゃないか。
場所など変え無くたって今この場でやればいいだろ。
それとも大勢で取り囲んで元のバラバラにしなきゃ気が済まないって事なのか』
継ぎ接ぎ『私は一瞬分かって貰えたと思った。
お前が言った様に寂しかっただけ、それが苦しかっただけなんだ。
なのにそれをそれだけ分かった上でまだ私に顔を貸せって何処かへ連れて行こうなんて‥』
継ぎ接ぎ『あんたの仲間をそそのかした事なら謝る。
でもそれじゃ足りないって事ならいくらでも好きに殴ってくれても構わない、抵抗もしない。
だからせめてバラバラにするのは勘弁して欲しい』
テヨン『だから貴方は勘違いをしているわ。
私はずっと貴方に顔を貸して欲しいって言っているだけ、文字通りの事を言っているだけよ。
貴方が変われる様に私が手伝ってあげるから、貴方の顔を貴方が笑って過ごせる様にして貰ってあげるから、だから貴方の顔を私に預けて欲しいだけよ。』
継ぎ接ぎ『本当か‥
本当に私の顔を皆んなの様にしてくれるのか‥』
テヨン『私には道具は重いし大きいから扱え無いから私には出来ない。
でも貴方の顔を大切に抱え込んで悲しく見つめる事なら出来るわ。
他の場所の今までの人間て名前の神とは違ってこの場所の神はちゃんと見てくれるからそれだけで分かってくれる。
きっと理解してくれて作ってくれるから私を信じて』
継ぎ接ぎ『お願いだ、もしそんなこが出来るならお願いだよテヨン私の顔を私の顔を‥』
テヨン『最初からそうやって素直に私に言葉を向けてくれたら良かったんだよ。
ほら貸して。
私が必ず可愛いくして貰って来るからね。
それから、服だってそんなの着ちゃってたらダメだよ。
知らない貴方は箱の中だか棚の上だかに転がってたのを着ちゃったみたいだけど、ちゃんとドール専用の衣装箪笥の中に沢山の服が有るんだからそこから好きなのを着てもいいんだからね。
でもいいわ、生まれ変わった誕生日って事で服は私がプレゼントしてあげる』
テヨン『だからもう泣かないで、もう泣く必要は無いから、次に会う時は貴方が生まれ変わる日。
そしてちゃんと生まれ変われた時には貴方は私の新しい妹だから。
ただ‥
名無しや更にその後ろに居る彼女が黙って見過ごすかがかなり心配だから、顔が出来るその日までは私の部屋に隠れていて頂戴。
私の部屋の左右には後期派ソロ組の黒い咆哮の黒豹ヒョリンと白き閃光の雪豹ヒョナが居るから彼女等も簡単には手は出せないからそこに隠れていてね』
それから数日後‥
【ウィンター】
K-POPのaespaのメンバーのウィンターから名前を付けてウィンターっぽくカスタムしました。
左右の瞳の下にaespaのウィンターと同じ場所の涙ボクロがチャームポイント。
衣装はデニムジャケットと毎度お馴染みのショートデニムパンツでショートデニムはカスタムしてベルトは自作品を着用。
足元はドット柄あみあみのニーハイに4連ベルト の黒ブーツ。
アイチェンジのプルリングはタイガーアイとゴールデンタイガーアイの使用で金運up魔除けupに自作しました。
少し少なめのまつ毛とまばら感の有る下まつ毛と目尻もaespaのウィンターぽくやや下側から横に少し長めにした積もりです。
髪は5㎝程カット致しました。
新人改め
継ぎ接ぎ改め
ウィンター
ウィンター『私はこうして生まれ変わった。
顔も心も醜かった継ぎ接ぎから今の私はウィンターとして生まれ変わったんだよ。
後期派ソロ組の青き旋風の碧狼ウィンターが今の私の名前だ。』
つづく