12月15日は、エッフェルの誕生日。フランスのパリにある、あのエッフェル塔を作ったエッフェル社のエッフェルである。
アレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェルは、1832年、フランス中部のディジョンで生まれた。アルザス地方からやってきたドイツ系の家系で、父親は退役軍人で、母親は石炭関係の会社を経営していた。
小さいころからものを作ることが好きだったアレクサンドルは、工芸学校を出て技師免許をとり、鉄鋼会社や鉄道設備会社で働き、鉄橋建設などにたずさわった後、34歳のとき、エッフェル社を設立。国内外の駅舎ホール、工場、鉄道高架橋、天文台などさまざまな建造物を作った。
そして、55歳のときにエッフェル塔建設に着手。塔の設計は、エッフェル社の社員だったステファン・ソーヴェストルとモーリス・ケクランの二人が担った。約2年をかけて完成した。
エッフェルはそのほかにも、ポルトガルのドウロ川にかかるマリア・ピア橋や、ハンガリーのブダペストの駅舎など、美しく、モダンなデザインの建造物を作った後、1923年12月、パリの自宅で没した。91歳だった。エッフェルはベートーヴェンの交響曲第五番「運命」を聴きながら息を引きとった。
1889年のパリ万国博覧会にあわせて建てられたエッフェル塔は、高さが312メートルあり(アンテナを入れるとさらに高い)、米ニューヨークのクライスラービルにぬかれるまで、約40年間にわたって世界でもっとも高い建造物だった。
エッフェル塔の姿には、フランスらしい、ある美意識が感じられる。
いちばんのポイントは、単純にたてに棒状になっていず、塔の足元が四つに割れている点だろう。エッフェル塔は4本に別れた脚で支えられていて、塔の真下は、だだっぴろい広場になっている。だから、塔にのぼるためには、4本の脚の部分にあるいずれかのエレベーターに乗って、斜めにのぼっていくことになる。
一度のぼったことがあるけれど、あの斜めにのぼるエレベーターのなかは、なんともいえない不思議な気分だった。もちろん、東京タワーのように、真下からまっすぐ上へのぼる恰好のほうが、構造上安定するし、技術的にもかんたんなのだろうけれど、それをあえて、技術により困難なものにし、それに挑んだところがにくい。アーチを作っているあの4本の脚がちょっと短足な感じでユーモラスで、そこがまたよい。
万博に間に合わせるため、尋常でない急ピッチの工事日程を要求されたにもかかわらず、エッフェル塔はひとりの死者もださずに完成された。
鉄の時代の到来を告げる、エッフェルはモダニズムの寵児だった。
(2024年12月15日)
●おすすめの電子書籍!
『ビッグショッツ』(ぱぴろう)
伝記読み物。ビジネス界の大物たち「ビッグショッツ」の人生から、生き方や成功のヒントを学ぶ。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ソフトバンクの孫正義から、デュポン財閥のエルテール・デュポン、ファッション・ブランドのココ・シャネル、金融のJ・P・モルガンまで、古今東西のビッグショッツ30人を収録。大物たちのドラマティックな生きざまが躍動する。
●電子書籍は明鏡舎。
https://www.meikyosha.jp

アレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェルは、1832年、フランス中部のディジョンで生まれた。アルザス地方からやってきたドイツ系の家系で、父親は退役軍人で、母親は石炭関係の会社を経営していた。
小さいころからものを作ることが好きだったアレクサンドルは、工芸学校を出て技師免許をとり、鉄鋼会社や鉄道設備会社で働き、鉄橋建設などにたずさわった後、34歳のとき、エッフェル社を設立。国内外の駅舎ホール、工場、鉄道高架橋、天文台などさまざまな建造物を作った。
そして、55歳のときにエッフェル塔建設に着手。塔の設計は、エッフェル社の社員だったステファン・ソーヴェストルとモーリス・ケクランの二人が担った。約2年をかけて完成した。
エッフェルはそのほかにも、ポルトガルのドウロ川にかかるマリア・ピア橋や、ハンガリーのブダペストの駅舎など、美しく、モダンなデザインの建造物を作った後、1923年12月、パリの自宅で没した。91歳だった。エッフェルはベートーヴェンの交響曲第五番「運命」を聴きながら息を引きとった。
1889年のパリ万国博覧会にあわせて建てられたエッフェル塔は、高さが312メートルあり(アンテナを入れるとさらに高い)、米ニューヨークのクライスラービルにぬかれるまで、約40年間にわたって世界でもっとも高い建造物だった。
エッフェル塔の姿には、フランスらしい、ある美意識が感じられる。
いちばんのポイントは、単純にたてに棒状になっていず、塔の足元が四つに割れている点だろう。エッフェル塔は4本に別れた脚で支えられていて、塔の真下は、だだっぴろい広場になっている。だから、塔にのぼるためには、4本の脚の部分にあるいずれかのエレベーターに乗って、斜めにのぼっていくことになる。
一度のぼったことがあるけれど、あの斜めにのぼるエレベーターのなかは、なんともいえない不思議な気分だった。もちろん、東京タワーのように、真下からまっすぐ上へのぼる恰好のほうが、構造上安定するし、技術的にもかんたんなのだろうけれど、それをあえて、技術により困難なものにし、それに挑んだところがにくい。アーチを作っているあの4本の脚がちょっと短足な感じでユーモラスで、そこがまたよい。
万博に間に合わせるため、尋常でない急ピッチの工事日程を要求されたにもかかわらず、エッフェル塔はひとりの死者もださずに完成された。
鉄の時代の到来を告げる、エッフェルはモダニズムの寵児だった。
(2024年12月15日)
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