7月25日は、ピアニスト、中村紘子(なかむらひろこ)が生まれた日(1944年)だが、ルービックキューブが日本で発売された日でもある。

ルービックキューブは、1980年7月25日に、ツクダオリジナルから発売された。
立方体の6つの面がそれぞれ異なった色で色分けされ、それぞれの面が9つの正方形で構成されている。これをねじることで変化させ、各面の色をいったんばらばらのふぞろいにしてからスタートし、各面の色をそろえていくという立体パズルだった。
1980年から1981年には日本中でルービックキューブが大流行し、発売後8カ月で400万個以上が売れ、そのほかに海賊版、模造品のたぐいもおびただしい数が流布した。
ルービックキューブは、もともとハンガリーの建築学者エルノー・ルービックが考案した立方体パズルで、ドナウ川の流れを見ていてひらめいたものだという。
ルービックは「マジック・キューブ」の名前で特許を取得し、まずハンガリーで1977年に発売された。
その後、米国のメーカーが販売権を獲得し、「ルービックキューブ」の名前で世界的に発売され、日本でも発売、という流れだった。
現在でもルービックキューブは売れ続けていて、世界で通算約3億個が売れたとされる。

流行していた当時は、まわりにいるすべての人がキューブをやっていたように見えた。
テレビでも、またたく間に6面すべての色をそろえる達人が登場したし、周囲にも6面をそろえられる者がいた。
タレントの劇団ひとりは、あっという間に6面をそろえる。

ある意味で、ルービックキューブは、踏み絵のようなものかもしれない。
研究を重ねて6面に挑もうとする者と、そうでない者とに、人類を二種類に分ける。
たとえば詩人でも、ランボーなどはすぐに投げだしてしまうけれど、ヴェルレーヌは興味なさそうな顔をしながら、案外隠れてアブサンを飲みながら6面に挑んでいたり……。
どうやら自分はそういう資質については欠けているようだ。
(2016年7月25日)



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