2月3日は、ゴロ合わせで「乳酸菌の日」。「にゅう(2)さん(3)」という発想らしい。
また、2月3日は、米国出身の作家、ガートルード・スタインが生まれた日(1874年)だが、哲学者、シモーヌ・ヴェイユの誕生日でもある。
自分は、アランの『幸福論』の解説を読んで、高校教師だったアランの教え子シモーヌ・ヴェイユがいることを知った。

シモーヌ・ヴェイユは1909年、仏国パリで生まれた。父親はユダヤ系の医者で、シモーヌの上には後に数学者になった兄、アンドレがいた。成績優秀な兄に対する劣等感に悩んでいたシモーヌは、13歳のころ、深刻なうつ状態となった。そして21歳のころから、彼女は頭痛の発作に悩まされるようになり、それは生涯続いた。
22歳で哲学の大学教授資格を取得した彼女は、哲学の教師になった。しかし、休職して、貧しい人々の状況を理解するため、工場に飛び込み、そこで働いた。また、彼女は農業や漁業にも飛び込んでいって体験した。
左翼系の新聞に論文を書いたヴェイユは、27歳でゼネストに参加し、スペイン内戦に義勇兵として駆けつけ、アナーキストとともに戦った。足に大火傷を負って帰ってきた。
第二次世界大戦がはじまり、ナチスがパリに迫ると、彼女はマルセイユへ避難した。
33歳のとき、米国にいた兄を頼って亡命したが、すぐに大西洋をとって返し、英国で亡命政権を樹立していたドゴール将軍のもとで働きだした。
34歳のとき、自室で倒れているのを発見されたヴェイユは、肺結核と診断された。医者に療養と栄養のある食事をすすめられたが、彼女は占領下のパリ市民たちが食べている割当以上のものは食べない、と、食事を拒否するようになった。このため栄養失調と衰弱が進み、1943年8月、心不全のため、英国ケント州のアッシュフォードで没した。34歳だった。没後『抑圧と自由』『工場日記』『重力と恩寵』『根をもつこと』など出版された。

シモーヌ・ヴェイユの書物はたくさん出ているけれど、それらはみな彼女の没後に、残されたノートから文章を拾って編まれたもので、したがって、ヴェイユの文章はひじょうに断片的である。断片的だけれど、すごく刺激的である。

「不幸があまり大きすぎると、人間は同情すらしてもらえない。嫌悪され、おそろしがられ、軽蔑される。」(田辺保訳『重力と恩寵』ちくま学芸文庫)

「弱者たちはみなほのおにひかれる蛾のように力にたなびく」(『歴史的政治的著作集』。ガブリエッラ・フィオーリ著、福井美津子訳『シモーヌ・ヴェイユ』平凡社刊による)

「この世においては、辱しめの最後の段階におちこんだ人びと、乞食の境涯よりもはるか以下におちこみ、社会的に重んじられないばかりか、人間の尊厳をなす第一のものである理性を欠いているとすべての人たちから見られている人びと──こういう人びとだけが、真実を告げることができる。ほかの者はみな、嘘をついている」(『ロンドン論集とさいごの手紙』同前)

「結婚とは強姦への同意である」(『超自然的認識』同前)

ヴェイユの書いた文章を読んでいると、自分などは、強いキリスト教的な匂いにむせてしまうけれど、工場や農場、あるいは戦場にまで飛び込んでいって考えようとする彼女の態度にはまったく共感するし、頭が下がる。
(2014年2月3日)



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