1992年のこの日、スペインのバルセロナで開催されたオリンピックの競泳女子200メートル平泳ぎで、日本の中学生の岩崎恭子選手が、2分26秒65の自己ベストをたたき出し、それがそのままオリンピック新記録となり優勝、金メダルを獲得した。
バルセロナ五輪では日本の期待を一身に背負っていたのは千葉すず選手で、二番手の岩崎選手は世界のトップとの記録が差があり、ほとんど注目されていなかった。それがふたを開けてみれば、14歳で金メダルの快挙だった。
女子200メートル平泳ぎでの日本の金メダルは、1936年ベルリン五輪で、日本人アナウンサーが、
「前畑、勝った勝った勝った勝った……」
と連呼した、あの前畑秀子選手以来、56年ぶり史上2人目の快挙だった。
岩崎恭子選手は、1978年生まれ。静岡は沼津の出身で、地元の中卒業後は高校をへて、大学では心理学を専攻した。熱狂のバルセロナの4年後、18歳のとき、米アトランタ五輪でも200メートル平泳ぎに出場したが、このときは10位だった。
そして20歳のとき、水泳競技から引退。米国へ留学して指導者としての道を進み、水泳指導員、スポーツコメンテーター、日本オリンピック委員会の広報専門委員、日本水泳連盟競泳委員などとして活躍している。
岩崎選手が、レース後のインタビューに答えた名ゼリフ、
「いままで生きてきたなかで、いちばん幸せです」
は流行語になった。日本中が岩崎フィーバーに沸き返る一方で、彼女が某とかいうアイドルタレントのファンだと知れると、同じアイドルに入れ込んでいる女性ファンから脅迫状が届いたりもして物議をかもした。
14歳という若さで名声を得、日本のアイドルとなってしまった人生というのは、うらやましい気もするし、その後のことを憂いて、とかわいそうな気もする。
100歳になってから全国のアイドルになった金さん、銀さん姉妹のような人もいれば、岩崎選手のような人もいる。
まったく人生はいろいろで、人生というのは、不思議な、妖しいものである。
(2016年7月27日)
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