1月15日・ナセルはアラブの…… | papirow(ぱぴろう)のブログ

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1月15日は、「わたしには夢がある」と演説したマーティン・ルーサー・キング牧師が生まれた日(1929年)だが、エジプト大統領だったアブドゥル=ナセルの誕生日でもある。いまの若い人はどうか知らないけれど、自分の子どものころは「ナセル」の名は日本人には常識だった。当時はこういうすばらしいことわざがあったからだ。
「成せばなる。成さねばならぬ、なにごとも。ナセルはアラブの大統領」

ガマール・アブドゥル=ナセルは、1918年、エジプトの地中海に臨む古都アレクサンドリアで生まれた。父親は郵便局員で、ガマールは長男で、下に弟が2人いた。
ナセルが子どものころは、エジプトは英国の保護国となっていた。その昔、オスマン・トルコの属州だったエジプトが、自立しかけて失敗し、英仏に干渉された結果、英国の管理下に置かれたのである。エジプトは、アレクサンダー大王の時代からずっと、ヨーロッパや中近東の強国の干渉と闘ってきた歴史をもっている。
ナセルは成長するにつれ、民族主義的な思想に目覚め、祖国エジプトの解放へ向かって動きだした。18歳のときには、学生デモに参加し、逮捕・拘留されている。
21歳で、陸軍士官学校を卒業。
彼が30歳のとき、イスラエルが建国され、これに対して、レバノン、シリア、イラク、エジプトなど周囲のイスラム諸国はいっせいにイスラエルに対して宣戦布告した。この第一次中東戦争のときには、ナセルは少佐としてアラブ連合軍に従軍した。
ナセルが34歳のとき、彼を含む自由将校団がクーデターを起こし、国王を追放することに成功。このエジプト革命により、ナセルは革命政府の副首相兼内務大臣となった。
そうして、36歳でエジプト首相、38歳でエジプト大統領となった。
大統領になったばかりのナセルは、それまで外資企業が運営していたスエズ運河の国有化を決定。これに英仏が反発。スエズ戦争勃発となった。
英仏軍をしりぞけたナセル政権は、運河の国有化を国際社会に認めさせた。ナセルはヨーロッパ列強を追い払ったアフリカの英雄、アラブの大統領として、絶大な人気を誇り、その名は世界にとどいた。
その後、イスラエルとの中東戦争に敗れるなど、一時の勢いは失ったが、エジプト国民からの支持は厚かった。
1970年9月、カイロで心臓発作により没した。52歳だった。

自分は、ナセルとかガンディーとかカストロとかゲバラとか、欧米勢力に抵抗し勝利した人には、なぜだか拍手したくなるアジア、アフリカ、中南米に多くいるであろう同胞のひとりである。
かつて日本が日露戦争と戦ったのは、ひとえに自国の都合であって、アジアのことなどまったく考えていなかったと思うけれど、インドやトルコの人たちは日本の勝利を喜んでくれた。それと同じ心情かもしれない。ナセルは英雄だと思う。
朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領のように、大陸国家と海洋国家のはざまで生き抜こうとする半島国家のリーダーも大変だと思うけれど、ナセルのように、世界の注目が集まるエジプトの地で、列強を相手にどっしりと構えて応じた指導者も、また大した膂力(りょりょく)だったと感心させられる。
(2014年1月15日)



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