2/2・ユリシーズのジョイス | papirow(ぱぴろう)のブログ

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2月2日は、20世紀で最も重要な文学者といわれるジェイムズ・ジョイスの誕生日。
ジョイスといえば『ユリシーズ』である。
自分は学生だったころのある日、書店で『ユリシーズ』の上下2巻本を見かけ、手にとった。
20年間くらいは本棚に並べて、もっていたと思う。
結局、巻末の解説にあった、全体のあらすじと、作者ジョイスのプロフィールを読み、あとは、ぱらぱらと拾い読みしたくらいで、引っ越しする際に処分してしまった。
だから、自分にとって『ユリシーズ』は、いまだに「難解をもって鳴る現代の古典」である。

ジェイムズ・オーガスティン・アロイジアス・ジョイスは、1882年2月2日に、アイルランドのダブリンで生まれた。
10人きょうだいのいちばん上だった。
ジェイムズが子どものころ、家運が急速に傾き、ジェイムズは転校や、頻繁な引っ越しを余儀なくされた。
ジェイムズ・ジョイスは語学が堪能だったが、若いころから自堕落で、酒びたりの生活を送っていた。
アイルランド脱出を目論んだジェイムズは、22歳のころ、ベルリッツ語学学校の英語教師となり、トリエステ(現イタリア)で語学教師として働きはじめた。
トリエステには10年ほどいて、その後、スイスのチューリッヒに5年ほど、それから約20年間パリに住んだ。
そうやって国外生活をつづけながら、『ダブリン市民』『若き芸術家の肖像』『ユリシーズ』『フィネガンズ・ウェイク』など、前衛的で、言語実験的な文学作品を書いた。
外国暮らししながら、ダブリンの話ばかり書いた。
1940年、フランスがドイツに占領されたため、ジョイスは長年住んだパリを離れ、チューリッヒにもどった。
そして翌1941年1月、チューリッヒで、十二指腸潰瘍により没。58歳だった。

『ユリシーズ』というのは、1904年6月16日の1日間にダブリンの街で起きたことを描いた小説である。
主人公のユダヤ人、ブルームが、頭のなかでいろいろな妄想を思い浮かべながらダブリンの街をさまよう。
一方で、彼の妻は浮気相手に熱をあげている。
そういう基本的に下世話な筋立てを、ジョイスは「意識の流れ」を追う描き方でつづっていく。
ブルームが通りの店の奥さんを見かけると、あの女はいい尻をしているとか、やらしてくれないかなあとか、あの女はこんなことがあってなどとブルームは考え、向こうのべつのものに目を移すと、今度はそれについて、ああ、あれは○○だなあ、と考えだす。
といった具合で、登場人物の意識にちらっとでも浮かんだことがらを、残らずすべて記述していくという、ひじょうに面倒な書き方をしている。
だから、とても読みにくいのだけれど、あるいはこの小説は、頭の部分から読もうとするから、挫折するのかもしれない。
エッチな妄想全開の、第4章あたりから読みはじめれば、案外楽しく読めたりするのかもしれない。
自分も、いつかリベンジ、ふたたび挑戦してみたいと思っている。
ジョイスというのは、ほんとうにたいしたことを企て、それをやり遂げた、たいした人だ。
(2013年2月2日)



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