いつも読ませて頂いているむささびさんのブログ。
"街を歩いていたら出会った人"…
家族と街でバッタリ会うという偶然って中々ないですよね



私もこのブログを読んで思い出したことがありました

昔、高校生だった頃、小田急線の新宿駅の車内で父親とバッタリ出会ったことがありました。
恥ずかしい話ですが、父はちょっと変わっていて…



中学生の時、父親に死なれて困って育ったせいか、貧乏性…と言うのでしょうか…
捨てられていてまだ使えそうなものを持って帰ってくる習性があります

終点の新宿駅で父親を発見し、そのまま観察していると車内に置き捨てられたマンガ雑誌を全部拾って歩いていました



「お父さん! 恥ずかしいからやめて!
」と、声を掛けると、父親はビックリしましたが、私に気にも止めずに再び拾って歩いていました。


「だって、ゆっこちゃん(私)マンガ好きだから。」と、笑って私に言いました。
聞けば信じられないことに父の職場の隣の席のおじさんも雑誌を広い集める病(やまい)で、机の上には拾った雑誌が読まれるでもなく山のように無意味に積み上げられていたそうです。
電車で父親が雑誌を拾っている時に、その人が前方で拾って歩いているのに鉢合わせしたこともあるそうです。
色んな人がいます

でも、実際怒りながらも、私はその病の恩恵を受けて、いつも山ほど大好きなマンガが読めて嬉しかったです。
しかし…
父は突然マンガ雑誌を持って帰って来なくなりました。
「どうしたの?」
と尋ねると、もう拾うのをやめたとのことでした。
訳を聞くと…
ある日、いつものように終点の車内で雑誌を拾って歩いていたら、父親と同じように拾って歩いているおじいさんに邪魔しないでと叱られたそうです。
聞けばその人は、拾った雑誌を道で売って生活の糧にしているそうなんです。
父親は反省して二度と雑誌を拾って来ませんでした。
私はホッとしたような、残念なような…
複雑な気持ちでした



その父親ももう94才。
久しぶりに思い出して笑ってしまいました


