次に姉が私の夢に来てくれたのは亡くなってから5年後でした。

その頃の私は子育てに疲れきっていました。

産後の体調も悪い上に、子どもは1日中泣き止まず、食べられない、寝られない、で極度のストレスの中にありました。

しかも、(余談ですが…)悪いことに私が産んだ助産院は母乳で育てる時は三大除去(卵、大豆、牛乳)、出来れば小麦などのアレルゲンも除去した母乳を与えれば子どもは一生アレルギー知らずになるという考え方だったので、食べられるものがほとんどなく、貧血でよく倒れました。

おかげで栄養不足の貧しい母乳のみで育った子どもたちは、いつまでたっても大きくならず、今もって小さいです。
しかも、アレルギーがひどいですショボーン

子どもの時の食事は「質より量!」

何でもかんでもガンガン食べさせれば良かった…と今もって子どもたちに申し訳ないことをしたと後悔しています。


そんなこんなで、気力体力ともに限界という時、姉が夢に来てくれました。

姉は寝ている私をじっと見て、
とても悲しそうな顔をしています。

そして、右手で私の頭をそっと触ると一言、
「可哀想に…」と泣いていました。

こちらから見れば、早く亡くなった姉の方が不憫で心配で「可哀想」な存在なのに、
姉は自分のことなど微塵もなく、ただただ私を心配している様子でした。

それは、「愛」の固まり。

「愛」そのものでした。


姉が病気の頃は本当に悪魔のようでした。

17才から亡くなるまで10年間、凄まじい家庭内暴力で家族は休まるときがありませんでした。

姉は元々とてもおとなしく優しい性格だったので信じられませんでした。

父親の断薬をきっかけに内海聡先生の本に出会って初めて姉の病気だと思っていた症状が向精神薬のせいだった、ということがわかって愕然としました。

自死したのも向精神薬に殺されたのだと思っています。

「死にたくなる薬」を飲めば、死にたくなるのは当たり前です。

すべては薬のせいだったのです。

でも、当時は全くわかりませんでした。

「死にたくなる薬」を処方して患者が亡くなっているのに、知らん顔をしている無責任な医者を訴えたい気持ちです。

でも、無知だった自分を恨むしかありません。

そんな悪魔のようだった姉が、愛の固まりの人として夢に現れたのは本当に驚きでした。

「本来の姉はこういう姿だったのかな…」
と、思いました。


アニメの「風の谷のナウシカ」で、腐海の森の奥底は本当はとてもキレイで澄んだ所で、腐海は実は地球をキレイにしていたのだったという話がありましたが、姉の姿もそれと重なりました。


一見、姉は腐海のようにとても受け入れられない酷い存在に見えるけど、実は腐海が地球の毒を浄化していたように、姉も家族の毒を我が身に全部引き受けて浄化しようとしてくれていたのではないか…


本当の姿は、この腐海の深部のようにキレイだったのではないか…と思いました。

本当の姉の姿を垣間見られたような夢でした。