内海先生は著書『心の病に薬はいらない!』の中で具体的な断薬方法として「理想的には一気に抜くのが最もいい」とおっしゃっています。

(えー!マジか…)と驚きましたが、でも向精神薬を覚醒剤と同じと考えればなるほどと思います。

覚醒剤を抜くときに微調整して量を減らしながら断薬するなんてことは考えられないからです。(余談ですが、麻薬取締法は正確には麻薬及び向精神薬取締法っていうんですね。法律的にも向精神薬は麻薬と同列なんですね…)

そして、一気に抜いた方がいい理由として「自殺、他害のリスク、依存度の減少。」を上げています。

内海先生はそう書きながらも一方で「でも、一気に抜くことはほぼ不可能」とも書いています。

今の日本ではそれをしてくれる特別な施設がないため、個人がやるにはかなりのハードルだと言うのです。

なので、今の日本で薬を抜くには以下の2択しかないそうです。
①自分で医者顔負けに勉強をし、栄養学を学び、サウナを見つけ、家族の理解をとりつけ、自分の部屋がボロボロになっても全責任を自分でとる覚悟で一気に断薬する。
②禁断症状と依存が長引くことを覚悟のうえで少しずつ減薬していく。
の2つです。

一見②の方が良さげですが、自傷他害のリスクの増、新たな依存を形成する恐れなどのデメリットを考えると減薬はかなりの危険が伴います。

でも、今の日本の現況を考えるとデメリットはあっても様子を見ながら減薬していくしかないと先生は言います。

私は簡単に言えば①と②のハイブリッド(⁉)式でやってみました。
もう、その場その時に応じて「適当」でした。

薬に固執が強いときはわからないように減らして、薬をやめると本人が決断したときはガバッと抜きました。

父は幸いな事に非常に我慢強い人でした。

以前、八丈島まで船旅をしたとき酷い台風に見舞われ周りは嘔吐の嵐でしたが、父は一人じっと座っていました。
(すごいな~何ともないんだ)と感心していると、船が島に着いた途端に一気にガーっと嘔吐したのです。

本当は皆と同じに気持ち悪かったのに表面には出さずジッと耐えていたのです。
今回はこの性格が役立ちました。
禁断症状は相当辛かったようですが本人が言わなければあまりわかりませんでした。

それが断薬が成功できた1つの要因でもありました。