退院後、入院中の寒々とした病室のせいで父は肺炎になってしまいました。

転院先の病院から早く入院するように言われましたが、本人が断固として入院を拒否します。

運ぼうにも大柄の父親は押しても引いてもビクともしません。

介護中、
「でっかい老人は介護泣かせ」
といつも心の中で呟いてました。

町で背の高い人を見かけると以前なら
(カッコいいな~)
と思っていましたが介護を経験してからは、
(この人歳取って介護になったら大変だろうな…)
と思うようになりました。

「難しいようなら救急車を呼んでください」
と病院に言われ、
「そんなことで呼んでもいいんですか?」
と驚いていると
「緊急性のある命に関わることだからいいんです。」
と言うので初めて119で救急車を呼びました。

「救急車なんてご近所の手前みっともないからやめて!」
と反対するの母親に、
「世間体とお父さんの命とどっちが大切なのよ‼」
と一喝しました。

母親はいつも世間体ばかり気にします。

ほどなく救急隊員の方が来られて父を一瞬で担架で運んで行きました。
あれほど悩んでいたのが嘘のように、あっという間に問題解決です。

こうして父の転院先での入院生活が始まりました。