父親は、家族の手には負えなくなり、
「ちゃんと治療しないと自宅では無理だ」
というクリニックの勧めで精神科の病院に入院することになりました。

しかし、入院は得策ではありませんでした。

家族は束の間の平穏な生活と引き換えに、父親に対して大きな犠牲を払うことになったのです。

通院の間はまだ本人や家族の希望を治療に入れられ、ある程度コントロール出来ましたが、入院となるとすべて治療は病院まかせで思うままです。

薬漬けは更にエスカレートし、目に見えて弱っていきました。

(このままここには置いてはおけない)と思いましたが、退院させる理由が見つかりません。

しかし、父親が寝たきりとなって介護状態が酷くなると病院側から、
「ここは老人介護の病院ではありませんので」
と、それに対応できる病院への転院を勧められ退院することとなりました。