「眠れないから病院に連れて行ってくれ」

退職後、父に言われて近所のメンタルクリニックに連れていきました。

木の温もりを感じる木造の建物で、「森の~」という名前の優しい印象のクリニックでした。
(ここならいいかもしれない…)と思ってしまったのが間違いでした。

実際に受診すると院長の診察日は週に1度しかなく、あとは若いバイトの医者で、行く度に違う先生でした。

なので受診の度に初めから説明をしなければならず、とてもストレスに感じました(-_-;)

1番はじめに処方された薬はごく軽い睡眠薬でした。

それでも眠れないと父が訴えると次第に強い薬になり量も増えていきます。

父親の訴えが「眠れない」という症状に加えて「憂鬱になる」「死にたくなる」など増えたので病名がいつのまにか「不眠症」から「うつ病」に変わり、ついには統合失調症の薬まで処方されるようになってしまいました。

1番はじめ医者は「過労によるただの不眠症ですね」と言っていたはずなのに…

症状が良くならなければ薬をさらに増やすという安易で無責任な治療の結果、父親は2ヶ月後には立派な
「精神病患者」
になっていました。

新しく強い薬を処方されるとはじめのうちは良くなったかのように感じましたが、すぐに以前よりももっと悪い状態に逆戻りします。 

素人目にも(このままでは取り返しのつかないことになる)と思い、薬に頼らないで治してくれるクリニックはないものかと必死で捜し転々としました。

でも、どこも同じでした。

クリニックのHPで
「薬に頼らない治療」
と書いてあっても結局は治療法は薬しかなく症状が良くならなければ量を増やしたり、別の同じような薬に代えるという手だてしかありません。

全く無力です。

「薬を減らしてくれませんか」と医者に頼むと皆一様に機嫌が悪くなります。

父親は医療にいたずらに薬漬けにされ、ついには歩けなくなり寝たきりとなってしまったのです。