毎日部屋の掃除をしてくれるおっちゃんがいる。

話す人がいないので、時々声をかけていたが、

ユニークな人だと判明。


若かりし頃、世界を放浪していたそうで、色んな国の話を聞かせてくれた。

そしておっちゃんは宗教に関する知識が豊富で、

宗教が文化に与えた影響など話し始めたら、

仕事そっちのけになるぐらい熱っぽく話してくれた。


そんな話の中で、ベッドに横たわっている自分を嘆いたりすると、

「今は決して停止しているわけではない!停滞しているだけ!

 むしろ次へのステップについて考える重要な時!

 君は生命力に溢れているから何も不安に感じる事は無い!」

と檄を飛ばしてくた。


人から元気付けられると、勇気が出る。

自分の前に道が開かれた気がする。


狭い部屋の中で視界が広がった。

今日こそは無菌室から脱出出来るかと思ったが、ダメ…。

出ても部屋がないらしい。

血液に問題無し、熱も無し、口も完璧でいつでも出れるのに出れない…。

読みかけの本もあるし、見ていないDVDもあるが、

何にもする気が起こらない。


どうしようストレスが溜まってくるーーー!!!

よし!こういうときは寝とこう、ただひたすら…。


最近ストレスを感じる。

日々様々薬をポンプという機械で正確に点滴しているが、

終わるとピー!ピー!と警告音が鳴る。

途中気泡が入ったり、自分で点滴の管(ルート)を踏んだりして

点滴が止まった場合でも警告音が鳴る。

しかしポンプはビニールカーテンの向こうの室外にある為、

ナースコールを押して看護師さんを呼ばなければならない。

起きている場合は構わないが、

夜寝ている時でも容赦なく警告音が鳴る。

自分のだけでなく、隣の部屋からも当然警告音。

最近は寝ぼけながら反射的にナースコールを押している、隣の人の分も…。

という訳で無菌室ではあまり寝れない。


精神的にも閉鎖された空間に2週間以上いるとイラッ!とする。

ただこれは自分の体調が良くなってきている証拠でもある。


前の病院の無菌室でのストレス解消方法は、食べる事!

UFOにどんべい、カップヌードルにレトルトカレー!

滅菌されたものしか食べられないので、

インスタント食品ばかりだが、これで満足していた。


しかし今は食欲は無いし、味もしないので全く食べる気無し!

はやくこの部屋から出たい!

明日は月曜なので期待しよう。