横ケツまで見えそうなショートパンツを履いている女がクミだった。

「もしもーし!マイです!今、どこ?」

マイとはクミの本名。

「俺の思い違いじゃないなら。あんたの斜め後方におるよ。」

「あーーー!!」

絶叫に近い声でこちらに気づくクミ。

「ごめーん、見つかった!じゃ。」 男2人にそう言ってこっちにやってくる。

なにその、ワガママぼでぃ。。

なに、その爆乳。動くたびに・・・・

ドンガ♪ドンガ♪揺れてマスガ??

なに、そのくびれ。動くたびに・・・・

クイッ♪クイッ♪揺らしてマスガ??

なに、その太もも。

ハイレグ水着並みに食い込んでるよショートパンツ!?

さっきまで話していた男子学生2人がこっちをぼーっと見ている。

歩く様はまるで芸能人。

そんな高いヒールでサマになる歩き方する女がこの世にいたとは!!??

あとで分かったことだが、ここで詳細を書いておく。

身長164cm、B94cm、W58cm、H95cm

凄まじいスリーサイズ。とにかくくびれがすごい。

顔はやっぱり20歳だ。美人だが若さもあってカワイイ感じも十二分にある。

「やっと、見つかった~~~~!!電話出ろよ!」怒りながらのたまうクミ。

「お、おう。」

「じゃぁ、大学を案内して、その後、飲んで、カラオケね。」

5秒で今日の俺の予定が変更&確定となる。

そこからは、周りの目を気にする時間のスタート。

大学内では歩いているだけで、顔見知りがガン見してくるのが分かる。

街に繰り出してもすれ違う男がまじまじとクミと俺を交互に見てくる。

(何か大変なことになってるんじゃないだろうか。。。)

しこたま飲んでカラオケをした後、クミを俺んちに泊めて、翌朝帰っていった。

なんだったんだ・・・・?

新幹線の改札をくぐる前に「また、すぐ来るね。」と彼女が言い残したのは確か。

クミが帰っていった後、ぐったりした俺はその日の講義もさぼった。

次の日から、別世界で生活していくことになるとも知らず。

連れてる女の質で周りの評価が180度変わることを実感することになる。
最後の嬢を自宅に送り届けたら、一日の仕事は終わり。

今日もみんなお疲れ様。

最近は、昔のことを思い出しながら帰り道を流すことが増えた。



「もしもし?誰だかわかる?クミでーす!」

分かるに決まってんだろが!!一体、この女は何を考えてるんだ・・・?

少し前まで「かわいいなー、この子・・・」と思っていた自分を大いに呪った。

はっきり言って恐怖だ。こちらの意思を無視して繰り返される行為は。

「一体、どういうつもりやねん。大体・・・」

くどくどと、彼女の常識外れなところを指摘した。遠慮などはもちろん無い。

「ひっく、ひっく・・・・。うあぁぁーーーっ!!!」

泣き出してしまった。それも号泣。誰か助けてくれ。

結局、20分間、泣き声だけを電話で聞かされ続けて、俺が根負けした。

「いや、言い過ぎた。悪かった。ただ、大学にモノを送るのはもう止めてくれ。」

「じゃぁ、家の住所、メールで送っといて。次送るもの用意してあるから!じゃ!」

ぴたっと泣き止んだと思ったら突拍子もないことを言ってクミは電話を切った。


さて、困った。住所なんて教えたらどうなることか。しかし、これ以上、大学に

変なものを送ってこられたら周りからなんて言われるか分かったもんじゃない。

あいつはデンジャラスだ。。。

正常な判断ができなくなっていたらしい。結局、クミに住所を教えてしまった。

3日後。

何も送られてこない。

1週間経とうが1ヶ月経とうが、何も届かない。宅配便の不在届けもない。

次第に俺も、このことは忘れていった。


あと1週間で冬の休業に入る時期になった。クリスマスも目前。

この日は前日、飲みすぎてしまって、午前の講義をさぼってしまった。

午後の講義はなかったので、15時ぐらいに研究室に顔を出すことに。

大学に行く途中、クミから着信が何度もあった。

(まぁ、大学に着いたら折り返せばいいだろう。)

自分の研究室に入ると、同室の塩谷から「おまえを訪ねてきた女の子が居たぞ。」

はて、誰だ? バイト先の女子高生が何度か遊びにきたことがあったから

またあいつらか、と思ったが面識のある塩谷がそんな言い方をするはずが無い。

嫌な予感がしたので、何も聞き返さずに研究室を出た。

出際に塩谷が「すんげぇ、モデルみたいな女の子だったぞ・・・。」と声を張る。

クミに電話をかけてみた。なかなか出ない。

足早に建物の外に出て、自販機のある方へ歩く。

ふと近くのベンチに太ももを思いっきり出した女が座っているのが見えた。

男二人と話している。こいつらは同じ学部の顔見知りだ。

(どんな短パン履いてんだよ。。 横ケツまで見えそうだ。)

その女がおもむろに携帯を取り出すと、俺の手もとから声が漏れた。

「もしもーし!マイです!今、どこ?」

この後、俺が大学で時の人となってしまう事の始まりだった。
顕示欲の強い季節があっさり衰えていく時期は気持ちがいい。

修士の頃は、毎日が研究漬け。これは表向き。

大学のPCを使って遊び倒す自堕落な生活。これが本当の姿。


ネットで人気のキャバ嬢クミから突然届いたメールは他愛も無い内容だった。



たけのこの里親様へ

いつも楽しいコメントありがとう~(^-^)
ところで、たけのこの里親さんもホームページとか持ってる?

クミより



どこで俺のアドレスを??

答えは簡単だった。クミの3つ前のホームページの掲示板に書き込んだ時に

ハンドルネームと一緒にアドレスを書き込んでいたのだ。

クミのサイトは頻繁にリニューアルしていた、ひどい時は1ヶ月で3回もURLが

変わってしまう。

サイトを閉鎖しても掲示板だけは残していたりする。

クミは昔の掲示板をチェックして、俺のアドレスをゲットしていたのだ。



クミから毎日メールが届くようになった。大体は、女友達と遊びに行ったときの

写真が添付されていて、顔と胸を強調するものばかり。

強引なクミによって、俺のサイトとクミのサイトに相互リンクが張られると、

それまで1日で最大10アクセスだった俺のサイトが1ヶ月で5,000アクセスを

集めるほどになっていた。パワフルな女子である。


俺のサイトは、趣味のプログラミングとお決まりの日記コーナー2本だけ。

クミからのメールも回数が減り、落ち着いてきた頃、この日記コーナーで

変なことが起こるようになった。


10月15日

たけのこの里が無性に食べたくなって、大学の近くのコンビニに行ったけど

品切れだった。どないなっとんねん!!


誰も読まないだろ、こんな日記。

3日後、大学の研究室に居たら、俺宛でたけのこの里20箱が届いた。

東京からだった。差出人は「鈴木麻依」。知らない。誰だ?


10月30日

研究室の友達が香水を付けまくってる。女の子に人気のものを雑誌で調べて

買ったみたいだ。男が香水ねぇ。ちょっと興味あるかも。


書いた俺でさえ、1回も読み返さなかった。

3日後、大学の研究室に、ブルガリの香水が3種類届いた。やっぱり「鈴木麻依」。

日記に書いたモノが否応なしに手もとに送られてくる。

まさかクミ!?

ようやく気づいた俺はクミにメールした。

「なんか俺にいっぱい送ってへん??

もし、そうならすぐ電話するように。xxx-xxxx-xxxx」

ブーン、ブーン、・・・・。

電話がすぐに鳴った。クミからだった。この女に躊躇という選択肢は無いようだ。


「もしもし?誰だかわかる?クミでーす!」

分かるに決まってんだろが!!一体、この女は何を考えてるんだ・・・?


クミ02





地元の大学院を修了して4年の月日が流れた。少し、過去を振り返って見る。

少し長めの学生生活で覚えたのは酒の味ぐらい。

学生時代の時間は流れたなんてものじゃなく、「タレ流し」状態。

”社会に出るのが嫌なだけなんだろう?” 

自分を問い詰めても決して認めたりはしない頃。


夜の世界に触れ始めたのは、修士の1年の時だった。

ブログなんてものがまだまだ浸透していない頃、

ネットでホームページを作っていたキャバ嬢のクミと掲示板でやりとりするのが

一つの楽しみになっていた。

水商売で洗練された女の子が可愛らしい写真をいくつもアップし、日記を書く。

当然、おびただしい数の男たちがそのサイトに群がる。俺もその1人だった。

クミは銀座のクラブ嬢だった。キャバとクラブの違いなんて分からない田舎者に

とってはどうでもいいこと。

それより重要なのは、バスト92のFカップだった笑。

顔は涼風真世で歳はハタチ。当然、申し分ない。

これでもかとアップされるプライベート写真の数は、クミ本人が管理しているのを

十分証拠付けるものだった。


ある時、ちょっとしたことに気づいた。クミの書いた日記には毎回、30~40ぐらい

のコメントが付くのだが(ほとんどが男か彼女の女友達)、男の中だと俺のコメント

にだけ、クミ本人の返答が付くのだ。

ちょっとした優越感。

「サイトのトップに載っているアドレスにメールしてみようかな?」

などと考えてみたが勇気も自信もなく、ずっと送れないでいた。

この頃の俺は、どんなにチャンスがあってもそれを掴もうともしない、

ダメ男の典型だった。

それから季節が一つ変わろうとしていた頃、メールが1通届いた。

クミからだった。



タイトルなし01


ウチのヒットマン店長は室伏広治似。あ、下はホンモノの室伏選手です。

室伏広治

ちと、これを細くして不健康そうにしたカンジなのよ。

こんなイカツイ人が普段から

1.低姿勢

2.常に敬語

なもんだから、余計に怖いの。あきらかにあっち系の人だから。

ドラの面接の時なんか逃げようかと思ったもん。

ってなことで、店長は室伏と呼ばれております。表向き、お店では。

影では、"ヒットマン"と呼ばれていることも知らず。。。

なぜヒットマンになったかと言うと、みさき嬢がヒットマンの陰口を言い放っている時、


みさき: あー、室伏ムカツク!大体、全然体育会系じゃないし、ネチネチしててさぁー。

俺:はぁー、まぁ、店長も仕事っすから(みさき嬢が時間にルーズなのを注意されただけ)。

みさき: なーんか、室伏じゃなくてなんかに似てるんだよねー。

俺:あ!俺は初めて店長に会った時から思ってたことがあるんですよ。

みさき: なになに!?


俺: 腕の悪そうな殺し屋 っぽいなと・・・。


みさき: ウケるー!!それいいね。でも長い。

俺: 俺は、ヒットマンって呼んでますよ。心の中で。

みさき: じゃ、あたしもそれにするー!


頭が痛い。瞬く間に広がってしまい、嬢達と俺の間ではヒットマン店長

と言うことになってしまっている。


そんなヒットマンから今日。。


何度も電話が掛かってくるんですけどー(T-T)

鳴りっぱなしなんですけどー。どう見ても、今日はシフトから外れてるし。

助っ人ならメールで「お願いーっ。」て来るから、どうみても緊急事態だね。

やっぱり、なつ嬢に手マンしといてティッシュかすに切れた所業がバレましたかね。

よし、逃げよう。ばっくれよう。いや、無理だ。

そんなこと2時間も悩み続けております。

いや、まてよ。


たかが手マンじゃないか。

されど手マンとは言わせないぞ。(身勝手)

うろたえるな、俺。詳細は落ち着いたらまた。。今日は胃が痛いんで。
もう無理だよ。続けらんないよ。この仕事。

今日みたいに嬢のパンツ見たぐらいじゃ割に合わん。

幸田來未



いやー、旦那~。スキだね。あんたも!!ってお客さんは多い。

さち嬢と、なつ嬢を拾って事務所に帰ろうとした午前2時頃、

店長から電話・・・


店長:お疲れ様です。

店長:コスプレでややこしい指定が入ってたのが漏れてた△□×・・・

俺:えっ??なんです??聞こえません。

店長:そのお客様、前からうるさいんだけど上客なんですよ×△□・・・で、写・・・

俺:はぁ・・・(俺の携帯。調子わりー・・・)、で、先方の希望は?

店長:キューティーハニー歌ってる倖田來未のコスプレ。


倖田來未

(んなもん、あるかい!!)

俺:積んでないッスよ(笑)ショートパンツ系の衣装全然、積んでないッスから(笑)

店長:それは分かってますけどねぇー(笑)

俺:まぁ、近いの選んでなんとかしますよ。

店長:それなんですけど、事前にチェックしたいらしくて写メ送ることになってるんですよ。

俺:は!?そんなことウチ認めてましたっけ?

店長:事前にリスクを解消しておきたい『特別なお客様』なんですよ。

俺:はぁ・・・(どんな客なんだろう。。。)

店長:というわけだから、

サチさんにコスプレさせて、

写真とって僕に送ってください。

僕からお客さまに送りますんで。

 俺:ちょ、まって、ちょっ・・・(w

店長:では。(ブツッ)


言うことだけ言って切りやがった。しょうがない。腹くくってやるしかない。

しかしどうやってコスプレ写真撮るんだ?俺、明らかに初体験なんですけど。

ちょうど、さち嬢がロングを終えたとこだったので事情を説明して撮影することに。

さすが、さち嬢。21歳とは言え場数を踏んでおる。まったくうろたえねー。

問題は、場所。事務所からはかなり離れててコスプレ客のホテルまで近いから

俺んとこに電話が来たのかと思ったが、まぁ、さち嬢が一番似合いそうだと

いうのも大きいだろう。

結局、俺の部屋が近かったんでそこで撮りましょう。ということになった。

もちろん、店長に許可をもらって。(あっさり許可すんなよ!)


コスプレ

あかん、倖田來未じゃなくて、ミンキーモモになってもーた。

とりあえず、送信。

15分後

店長:OKもらえました。

結局、スカート短けりゃいいんじゃねーか。

無事、さち嬢をお客さまの所へ送り届けましたとさ。

指名:なし、とにかく脚がキレイでかわいい子(さち嬢なら◎でしょう)
場所:ラブホ
要望:倖田來未のキューティーハニー歌ってるときのコスプレ

感想:コスにたんまり掛けてくれましたよ。お客さん。
いやー、おれも満足してくれてうれしいよ。以下、さっちゃんの感想。

さち嬢:「なんか倖田來未の話をしても詳しくなかったよ。」
さち嬢:「こっちの方がいい!ってとにかく喜んでた。スカートはゼッタイに脱がないでって!」

お客さーん!!大してこだわりないならあんな注文しないでよ・・・。

あー、さち嬢の写真でオナニーしようっと。

今回の1件で急にさち嬢との距離が縮まったと思われる。
 
高校の同窓会で会ったヤツが「デリヘルやってる。」って言ってた時は

正直、なーんとも思わなかった。

「ふーん。」ってなぐらいで。別にバカにする訳でもなく、興味を持つわけでもなく。


まぁ、興味が湧かなかったってことは内心、軽蔑してたのかもしれん。


それから何年もたって自分がドライバーやってるんだから、愚か者だね俺は。

とにかくローンで買ったナビが頼りのヘボドライバーの日記。