ご覧いただきありがとうございます。


爬虫類を飼育するために餌から繁殖をはじめ、すっかりネズミの面白さに興味をひかれ、観察をはじめてから約一年と1ヶ月が経ちました。


マウス達を観察していて思ったことは、年功序列がネズミの中にもあり、それが自然な社会的ルールになっている...ということです。


「チュー太」はペットショップで購入した餌用マウスでした。





安易な名前の付け方ですが、「まんが日本昔ばなし」や他の人のblogなどでもよく見かけ、恐らく日本で一番多いネズミの名前ではないかと思われます。


繁殖の為、♀も2匹購入しました。


ところが全員がリタイアマウスでした。


ネズミの年なんて見ただけではわかりませんからね。


でもネズミ同士ならわかるようです。


うちには気の強い女ボス、「グレイ」がいます。


↓ライラックロング♀「グレイ」とブラックシルバー♀「ブラック」&ブラックヘッドポイント「名無しのチビスケ」


チュー太は20g、グレイは37g。





かかわり合いになったら小さなチュー太はすぐにマウンティングされるであろう両者の体格差。


ところがグレイはチュー太には絶対にそんな事はしませんでした。


チュー太は初対面の相手とでもすぐに打ち解ける社交的な性格。


いつもグレイがチュー太にグルーミングしてあげたり、2匹仲良く寄り添うようにくっついていました。


グレイが別のマウスとの間に子供をもうけても2匹はとても仲が良く、チュー太は子供達にいつも囲まれていました。





いつもグレイを含め、チュー太を真ん中に囲むように集まっています。

当時はアルビノマウス♂はチュー太だけだったので、すぐに見分けがつきました。


チュー太はどの子にも優しく接します。

子供達もチュー太が大好きでした。


その事を最初に発見したのはうちの子供でした。


弱っている子、ケガをしている子に特に寄り添い、励ましたり慰めている様子が見てとれます。


「チュー太はやしゃしいね。」


当時小学1年生だったのにまだ舌っ足らずだったうちの子。


考え方も幼いので、単にくっついているのを、そう受け取っただけだろうと思っていたのです。


ところが、ある日を境に本当にチュー太は優しい...いや、頼りになるみんなの父親的な?存在だと思うようになりました。


若い♂同士の喧嘩を、チュー太が間に割って入って諌めたのです。


ちょっと信じられない光景にビックリした瞬間でした。


そして喧嘩をしていた当の2匹は、にらみ合いながらもチュー太に従っていました。


その時の女ボス、グレイは育児中で保守的になっていたためか、「我、関せず」的な態度を取っていました。


あるいは、「チュー太がいるから任せよう」という感じだったのかも知れません。


とにかく、事実上のボスはチュー太なのだとはっきりわかった上、ネズミの社会性は本当に人間とよく似ていることが判明(私の中では)しました。


爬虫類飼育者になるため、餌のつもりでマウスの繁殖を始めた私は、すっかりその面白さに興味を持ってしまったのです。


さらに観察を続けていると興味深いこともわかってきました。


チュー太に育ててもらった子供達はみんな、初対面の相手に友好的なコミュニケーションを取ります。


必ずグルーミングしてあげて仲良くなり、好奇心旺盛でのびのびと自由な感じがしました。


一方、ボス的な存在が居ないケージでは常にいさかいが絶えず、気に入らない相手にはいつまでも攻撃をやめない困った個体がいました。


その子だけ別のケージに入れても、また他の誰かが似たような事をする...そんな繰り返しできりがありません。


同世代の集まりだからそうなのかも知れないと思い、父親と同じ世代の♂を何匹か入れてみました。


チュー太のいたケージの個体と、他のケージで育った個体では、明らかに初対面の接し方が違います。


当然、チュー太から受け継いだであろう友好的なコミュニケーションを取っている個体は、すぐに全員と仲良くなっていました。


チュー太と関わりを持ったことがない個体は、力で支配しようとする子もいました。


もちろんこの限りでありませんが、ネズミも育った環境で性格やコミュニケーションの取り方が変わり、ある程度は上の世代から伝えられた伝統のようなものを持っていると思うようになりました。


チュー太はお迎えしてから半年ほどで老衰で静かに息を引き取りました。


リタイアマウス「チュー太」の存在は、私にとってはとても有意義で、私や次世代のマウス達、女ボス「グレイ」にとっても偉大な存在だったと思います。




核家族化が進んだ昨今、「老人」は理解されず、差別の対象にもなっています。


老い先が短いからと、社会にとっては不要な存在のように言われている時もありますが、今のお年寄り達が作り上げてきた社会を、私達は生きているのです。


この先人達の労力がなければ、私達は水も食べ物も住む場所さえも、得ることはなかったでしょう。


いや、生まれてくることすらできなかったのです。


私達人間は、小さな生き物を通して多くの事を学びとっていけるはずです。


今日もご訪問、ありがとうございました。

この研究所で使っている設備


『冷凍ラット XLサイズ400g 2匹【他…(¥1,500)』 フリマアプリ「メルカリ」で販売中♪ 

招待コード【EVGMQZ】でアプリから新規会員登録すると500円分お得に買える✨インストールはこちら👇https://merc.li/YpA6tBC9a