GayでHuman。そして      考える葦である。('¬'*)
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闘。そして 進。

告白。









ぼくにとって。

それは



相手に意を伝える。



それと同時に
もうひとつ。



自分がGayであることを
相手に知られる。









それを 意味する。

























先生なら
分かってくれるかもしれない。

そう思う自分。



あの笑顔が
消えてしまうかもしれない。

そう思う自分。



二つの自分が
必死に闘っている。








今まで。



Gay。
それを理由に


闘うこと。

なんて 以っての外。

世間から。
相手から。
そして 自分から。
敵前逃亡を
繰り返していた自分。










それが

今。



弱い自分を盾に
しながらではあるかもしれない。

しれないけど。



確実に

闘っていた。





自分の胸 という
ものすごく
ちっぽな戦場で。

自分自身 という
ものすごく
強大な敵を前に。



想い。
たったそれだけの
武器しかないけれど。














ぼくにとっては。

革命のような

大きな
戦いであり。
闘いであり。

そして それは
進歩だった。





ぼくのなかで
強く。
何かが変わっている。



そう
感じながらも。

まだ
自分を越えるための

あと一歩。

それを
僕はまだ
踏み出せずにいた。



















そんな
自分自身との
闘いの中。



僕は
ある一本の
映画に出会った。













ブロークバックマウンテン









時代の目に
引き裂かれそうに
なりながらも。

必死に求め合う。

そんな
男二人の物語。











この映画の
ワンシーンが。



僕の背中を


強く。

優しく。


押してくれることになる。









そのシーンは

物語が佳境に入る。
ちょうどその前の
ワンシーンだった。

























ジャックとイニス。

いつものように
あの山で。
身を隠しながら会う
ふたり。

それまで
何度もすれ違いを
起こしそうになっていたふたり。

その亀裂を
決定的にしてしまう。
そんな言い合いを
ふたりはしてしまう。



互いに。
言ってはいけないことを
罵り合い。



そして
ジャックは言ってしまう。

" いっそ
   別れられたら "



それを聞いた瞬間。

今まで寡黙な男だった
イニスが。
一気に崩れ落ち
泣き叫ぶ。

" 俺もどうしたらいいか
  分からないんだ。
  もう
  俺を自由にしてくれ "

その姿を見たジャック。
我に返ったように
イニスに寄り添い
抱きしめる。

" すまない
   もういいんだ "







イニスが車で去っていくのを
ジャックは一人見つめ

ブロークバックマウンテンでの
ある朝を
思い出す。














たき火の前で
立ったまま
ウトウトしているジャック。

" おい
  馬みたいに立って
   寝てるのか? "

その背後から
イニスが
そっと寄り添い
後ろから 抱きしめた。

イニスは子供を
あやすように子守唄を
ジャックの耳元で囁く。



" もう行くぞ
  また明日な "

イニスはジャックから
そっと離れ。
馬に乗り、去っていく。



その後ろ姿を
じっと見つめるジャック。














その目だった。



イニスが去っていくのを
見つめるジャックの目。



愛しい者を見る目。



この目が
僕に教えてくれた。













とても大切な。

そして
とても当たり前なことを。













それは















人を好きになるってことは



どうしようもなくなる
ことなんだ ってこと。

そして

どうしようもなくなって
いいんだ ってこと。













何かが

僕の中で
切れる音がした。





















僕は この時。

自分の中に

こう
決意した。



























" 一週間後
   告白する "































そう
決意した 二日後。

" 少し 強くなった "

そう 確実に
感じた出来事に出会う。














いつものよう。

学校に登校。
勉強。
そして 下校。


その下校時間。



僕はロッカーの前で
荷物を整理していた。



そのとき
先生が廊下で
歩いているのが見えた。


話してる。


楽しそうに。

今まで見たことがない
笑顔で。


隣には 
女の先生。



先生と
その女の先生は。
付き合っているという
噂があった。



二人はそのまま。
駐車場に消えていく。



僕は
反射的に。
思わず、目を背けてしまった。

確かに
ショックだった。

悲しかった。





でも
告白する決意が
揺れることはなかった。





だって。
僕が告白する理由。

それは




" 付き合いたい。"


そんなことは
期待していなかったから。



僕が欲しいのは ただ



強い自分。

それと
先生に
本当の僕を知ってもらうこと。

本当の僕を
知ってもらったうえで
" あの笑顔 "
が もし 見れたら



もう他に何もいらない。



本当に
そう思えるから。





































ふと
時計を見上げる。

短い針。
長い針。

どちらも真上を向いていた。


AM12:00
午前零時。


日付が変わった。



自分に問いかけた。

" 怖いか? "

その問いに
行動で応えた。










汗で湿っている携帯を
そっと開き。

メール画面を確認。



そして













送信ボタンを押した。













押した瞬間。



いろんな感情が
沸いてきて。



ただ
ただ。



涙が出てきた。



悲しいわけじゃない。

うれしいんだ。

恐くもあるんだ。



でも

それより
なにより。









自分が とても

軽くなった
ように感じた。

浮いてしまいそうなくらい。






気持ちがよかった。























僕はベッドに
潜り込み。

枕を抱きしめ。

電気を点けたまま。

一人
眠りについた。






















自分との闘いに
勝った。

その瞬間だった。

初体験。

僕が。

とろけて消えて
しまってから。

いや
恋をしてから。





僕の胸は
踊る一方だった。





そして。
一つのことが
僕の日課になった。



それは












ー毎日
  職員室に行って
   先生の姿を見ることー
 















登校。
とりあえず
職員室を覗き。



休憩時間。
もちろん
覗く。



授業で分からなかった時。
その科目の先生が
一旦、職員室に戻ってから。
後を追った。



友達が職員室に
用事があるときは。
意味もなく付いてった。



下校。
駄目押しで
再び覗き込んだ。











でも
姿を見れたとしても
話しかけるなんて
大それたことは
できないから。


チラッ。





チラッ。







端から見たら。
たぶん
ストーカー。



自分の中では
プチストーカー。











キモいな。自分。











なんて思ってはいたが



恋する乙女は
暴走するものである('¬'*)



と開き直る。



しかし
先生の座っている所が
これまた絶妙で。





いつも
背中しか見えないのである。












うーん…
なんだかなぁ










なんて思った

次の瞬間には










なんて
大きい背中(*⊃ -°)









と素敵ポイントを
見つけてしまう。




恋する乙女は
暴走するものである('¬'*)























想いは増すばかり。

でも
告白なんて

Gayである僕に
そんな選択肢は
ない。

何度も。
何度も。

自分を知れ

何度も。
何度も。

自分に言い聞かせた。





















そんな中
夏休みに入る。

夏休みでさえ。
先生のことが僕の頭から
離れていくことはなかった。





部活の
全国大会。
僕にとって二度目の。
そして
最後の全国大会。

その舞台で。
僕はさらに
先生に恋をしてしまう。












団体戦。
僕は、団体戦が嫌いだ。
連帯責任。
この言葉が僕の小心に
さらに追い討ちをかけるから。


でも僕は
緊張が顔に出ないタイプのようで
心配されることは
少ない。

今回もそうだった。



" 期待しとるで "



友達からも
そう言われてしまう。

内心。



やめて…



なんだけど。









その中で。
先生だけは違った。

そっと近付いて来てくれて



" 緊張しとる?
  大丈夫やけん
   自分信じてな。 "



僕の肩に手を乗せて
そう言ってくれた。



そして
僕がフルセットで1勝を
勝ち取った瞬間。
皆が

よっしゃー!

なんてガッツポーズして
僕に近付いてくる中で。



僕は誰よりも先に
先生を見た。



すると 先生は。
僕の顔を見て
ゆっくり頷いてくれた。



あの笑顔で。



その後
結局は負けてしまったが。
ぼくにとって
後にも先にも

最高の夏だった。























夏休みが終わる。

周りの雰囲気が
少しずつ変わっていく。
そんな季節。



それは大体
受験。就職。その他諸々。
なんだろうけど。

僕も
そのようなモードには
入っていた。



表面的には
そうなんだけど。








心の内では
全く違うことを
考えていた。








高校の終わりが
見えてくる。








それは
先生と僕の関係は
先生と生徒ではなくなる。


そういうことだ。












あの背中。あの横顔。
そして
あの笑顔。





今まで 
それを見ることは


生徒。


という肩書が可能にしてきた。



その肩書が
無くなる。



それは
先生と会えなくなる。
そういうこと。










タイムリミットが
近付いていることを。




葉の色。気温。
周りの言動。




それが
僕に身をもって
示してきた。









それから

ぼくは。
先生の姿を見ると
心が踊るよりも先に。



胸が
痛くなった。














あの職員室。
廊下。教室。体育館。




先生の姿を見る。
たった それだけ。

それだけのことなのに。











胸の真ん中
より 少し下のところ。



そこを
何かペンチのようなもので
思いっきり
挟まれているような。



そこを
小さな針で
何度も 何度も。
突かれているような。








思わず
胸に手をあてて
うずくまってしまう。



そんな感覚。






息苦しくて

すごく
苦しかった。
















高校三年。

18歳。



周りは
セックスだとか。
キスだとか。

そんな話で
盛り上がっている中。





教室の隅っこ。

ぼくは
ただ一人。



胸が痛くなる。







そんな

初めての経験に。






















机と
にらめっこしながら







一人
苦しんでいた。

Seventh heaven 。

高校三年生。



先生と出会ってから
一年が経っていた。




















その頃の先生は。









二年生の担任に
なってしまい。



三年生の授業を
受け持たなくなってしまい。



忙しくなったせいか
部活にも、あまり
顔を出さなくなってしまった。


















寂しいなぁ。















そうは思うものの。

時々。
廊下や職員室で
姿を見かけることが出来る。
それだけで 



まぁ いいか








そんな気持ちで
高校最後の年が始まった。

































ぼくは相変わらず。

勉強と部活を
がんばっていた。















進学校。なんて
言われるような学校では
なかったから。



正直。
1番をとるのは
そんなに難しくなかった。












だから。
と言っていいのか
分からないけれど






今まで。

勉強なんて最悪…
と毛嫌いしていた僕が
1番になれてしまったことで

" 勉強の楽しさ "
それを

自信。
優越感。

この二つが
僕に、教えてくれた。



そして
この" 勉強の楽しさ "が

僕が将来やりたいこと。

それを見つける
きっかけとなってくれた。



























こんな風に書くと。
充実してるように
聞こえるかもしれないけど。





僕には
すこし違った。



















高校最後の年。

このことばが
ぼくの中で。
しつこいほどに
こだました。
















このままでいいのか。









そう
頭の中で。
もう一人の自分が
囁いてくる。
























Gayであるということ。
それを
ずっと隠して生きること。

Gayであるということ。
それから
ずっと逃げること。

Gayであるということ。
それから
生まれる孤独。











僕は
自分自身に
押し潰されそうになっていた。

































蝉がうるさいな…
そんなことに気付く季節。





暑くて。
僕はポケットに小銭を
ジャラジャラ
いわせながら。

ジュースを買いに
食堂へ向かっていた。















その途中。
体育館の渡り廊下を



先生が
歩いているのが見えた。















おっ。



と思いつつ

ポ~。
と その姿に
見とれていた。






















あっ。












目が合あった。
合ってしまった。











すると 先生は
そのまま。
こっちに歩いてきた。

歩いてきてしまった。








なっなに!?




なんて思いながら
若干 うれしく。
相当 ドキドキ。



僕は俯いて。
話し掛けられるのを
待っていた。

















「 おぉ どうしたん? 」










どうしたは
こっちのセリフ…



なんて思いながら
他愛のない話をしていた。



と思う。









と思う…
っていうのは
実際、

会話の内容は
ほとんど覚えていなかった。










なんとか
冷静を保とう。



顔を
赤くしないように。








それだけを
必死に考えていたから。





















後に。先生から聞いたら
それは
成功していたらしい。


" 全く気づかんかったで "


そう言ってたから。









僕って
演技派なんだなぁ。



これって
得なのかしら…














まぁ
それは置いといて。







部活かな?
そんな話をしてた時。

僕が面白いこと
言ったのかな?
わからないけれど…






不意に。






先生が














ニコッ(^―^)





















そう
笑った。












そう
笑ってくれた。

















先生の笑顔。
今まで授業や部活で
見てきたはずなのに。





その時の笑顔だけは
今までのとは
全く違っていた。










だって










その笑顔は






















僕だけに
笑いかけてくれた
笑顔だったから。












周りには誰もいない。
僕だけに。






















僕は たぶん
この瞬間に。















恋をした。










初めての恋。























先生の笑顔。
僕だけに向けられた笑顔。





それを
もう一度
見たいと思ってしまった。



それを
もっと近くで
見たいと思ってしまった。



その笑顔に
触れたいと思ってしまった。























その日から僕は。

先生を忘れることは
出来なくなった。







今に到るまで
ずっと。 


ずっと。































話しが終わると。



いつものように 
皆にするように

先生は僕の足を
ポンッ
と叩いて

「 じゃあな 」

そう言って。
先生は
職員室に
入って行ってしまった。
























とろけて
消えてもいい。

ぼくは
そんな気分だった。
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