古代は自己愛過剰社会と向きあうため、暫くブログを中止したい。

ことの発端は、私の師が自己愛過剰社会という現象について指摘をしていたことだ。
それに伴い、アメリカの著名な心理学者ジーン・M・トウェンギ氏とW・キース・キャンベル氏による「自己愛過剰社会」を読了した。

近年SNSやブログの発達で個人がメディアをもてるようになった。それに伴い個人が自身を自らの手によってアピールし表現できるようになった。このイノベーションがもたらしたものは、売れない芸術家や作家といった一隅の芸術を世に出すこともあれば、著書「自己愛過剰社会」が指摘するエピデミック(流行病)としてのナルシシズムを生み出すこともある。
代表的なエピでミックとしてのナルシシズムの末路は2008年のアメリカで起こった。サブプライムローンが弾けたリーマンショックである。その頃のアメリカはまさにSNSやブログが大流行し、個人は自らの所有物をインターネットを介して友人や不特定多数の"誰か"に向かって見せびらかし自慢をすることで自尊心を満たしていた。自分の身の丈に合わない身分不相応の住宅を買おうとし、欲深い貸し手が他人の経済力をあてにして大きなリスクをおった。そしてその個人は購入した身分不相応の家を担保にさらに借金をし、またもや身の丈以上の高額品を購入していく。この個人のナルシシズムから端を発した際限なき欲望の連鎖がアメリカ経済を一時壊滅状態に陥れたのである。

これはアメリカの話?いや、これは他人事ではない。

このアメーバブログの芸能人ブログなどはその典型であろう。有名な芸能人から売れない芸人まで皆自身をアピールするのに毎日必死である。自分が如何に裕福かをひけらかし、自身がいかに幸せかを綴り、自身の体や容姿がいかに優れているかを競争するように見せつける。そして、それを見た人達は彼らに憧れ、彼らをもてはやし、自身を身の丈以上に表現しようとする。挙げ句の果ては、美容整形に走るものもいる。また、一部の若年者は身の丈以上のモノ欲しさに売春行為までおかしている。このナルシシズムが感染した人たちは、彼らから夢や希望や勇気をもらっているのだろうか。本当は彼らから傷つけられ、何か大切なものを奪われているのではないだろうか。
著名な知識人にもこれらの現象は見られる。ブログなどで自らの知識はひけらかし、政治を批判してみせるが、自身はまったく重い腰を挙げない。自身に力があるにも関わらず、インテリジェンスをひけらかすだけで行動はしない。これらはエピデミックとして他人に感染し、ますます日本社会にはびこってきている。これらの行動の連鎖は社会と個人に一体どのような影響をもたらしていくのであろうか。一つ確かなことは、これら一連のナルシシズムの行動は、他人を傷つけているのである。そして、ナルシシズムが跋扈する社会は不毛な競争で互いを傷つけ合う社会なのだ。

古代は自己愛や自尊心は大切であると思う。経済成長が続いていた時代と違い、日本社会は薄暗い霧のようなもので覆われ、個人はその霧のせいで一寸先も見ることもまま成らない、そういう時代に突入している。このような時代の若い世代、我々は自身を鼓舞し、へこたれそうになりながらも「自分はやれる筈だ」と自身を信じ、なんとか前に進んでいかざるを得ない。
しかし、自己愛が"過剰"になり、自尊心がナルシシズムになることは恐ろしいことだ。ナルシシズムは病気として自らの成長を止め、自らを滅ぼしていく。まず、自分の能力を客観視できなくなり、自身は優れているのだと自信過剰になってしまう。結果、自らの欠点に気がつかない、または目こぼしする。また失敗などからも学ぶ謙虚さが失われ、聞く耳を持てなくなり、自らの成長を止めてしまうだろう。


では、古代のこのブログは自己愛過剰社会の一部だったのだろうか。客観的に見ればYESかもしれず、主観でいけばNOでもある。では、なぜ主観でいけばNOでもあると言えるのか?それは、ここではあえて答えぬことにしよう。

実は一部の人にこの件について相談した。皆の答えは私の友人らしく「そんなに難しく考えなくてよくないか?」であった。そして一様に彼らのジャッジは、このブログは自己愛過剰社会の一部なんかじゃない、であった。

しかし、古代はこの件に関しては考察が必要であると思った。社会や個人や自身にとって、とても重要な問題であると感じたのだ。だからこそ、真剣に向き合おうと思った。

そして、なにより私の師が警鐘を鳴らしているのだ。
"師事する"とはどういうことかを深く考えた結果の意思決定である。


このブログは三年ほど書きたい時に書きたいことを徒然に書いてきたので愛着はある。なので、自己愛過剰社会と向き合って自身の結論がでるまでは生かしておこう。

では、ここにて一旦筆を置こう。 読者の皆様には感謝に堪えない。


自己愛過剰社会/ジーン・M・トウェンギ

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